東方我烈伝 Cross of OrecaWorld 第１章―我界との交錯―（後編） (ページ16)

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第40話　冥き戦いの地へページ16

―暗闇の風穴―

「こ、こいし!?どうしたの!?」

戦闘が終わったのも束の間、こいしは急に地上に向かい始めていた。それに驚き、咲夜、早苗、フランも慌てて追い掛けていた

「…ハヤテが言うには、『魂裁かれし地の側に、倒すべき敵がもう１人いる』って」

「魂裁かれし地って…」

「『地獄』でしょうね。その側って事は…『無縁塚』かしら？」

(ん？ハヤテってこんなにストレートに話すっけ？)

こいし(正確にはハヤテ)の言葉に、早苗が場所を考え、それを直ぐに咲夜が確認した。ロックだけ関係ない事を考えている

「兎に角、それなら急ごう！」

フランの合図で、四人は無縁塚に向かった

―数刻前・魔法の森―

咲夜達が地底に向かった頃、霊夢、妹紅、チルノ、そして映姫は無縁塚に既に向かっていた

「まさか閻魔様が頼み事とはな」

「どういう風の吹き回し？」

「私が頼み事するのはそんなにおかしいですか？貴女方なら、小町を止められると思っただけです」

映姫曰く、小町が我符を得て、その力で暴走しているから止めてほしいというのだ

「…あれは」

「霊夢？どうかしたの？」

「…何でもない」

ふと何かを見付けた霊夢。チルノは気になって話し掛けたが、霊夢ははぐらかした

(魔理沙…)

それは魔理沙の家でもある『霧雨魔法店』だった

―無縁塚―

「着いたわね…」

「さて、小町はどこだ？」

無縁塚に着いた霊夢達は、直ぐに周囲を見渡した。その時

「…見付けた！」

「え…」

「あ、危ない!!」

映姫が後ろから襲撃された。チルノが気付き、咄嗟に作り出した氷の剣で何とか防いだ

「ありゃ、霊夢とか呼んできたんですか、映姫様？」

「こ、小町…」

襲撃した張本人は小町だった。既に敵と成り果てた死神に、霊夢らは敵意を向けた

「サボり魔が謀反？随分偉くなったものね」

霊夢が挑発すると、小町は笑いながら答えた

「あーっはっは！何言ってんのさ。あたいの目的は元々…あんたら我符所有者だよ！」

「な…」

その答えに妹紅が絶句する。そして小町はスペルカードを唱えた

「じゃあ逝く準備はいい？我符『モート』!!」

我符を唱えた小町は、全身が暗い紫に染まった姿に変わった

「『死神王コマチ』！さあ、闇の力、見せてあげるよ!!」

「っ！二人共、行くわよ！我符『クフリン』!!」

「あ、ああ！我符『バーン』!!」

「う、うん！我符『フロウ』!!」

その禍々しさに怯みつつ、三人も我符を使用し、今、最終決戦の前哨戦が始まった