東方我烈伝 Cross of OrecaWorld 第１章―我界との交錯―（後編） (ページ2)

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第26話　大軍の根城ページ2

―霧の湖―

「雹符『ヘイルストーム』！」

『ギャアァァァァ！」

博麗神社で霊夢と早苗の口喧嘩が勃発している頃、霧の湖ではチルノとオレカモンスターのガチバトルが繰り広げられていた。最も、チルノのスペルカードで三千はいたであろう大軍は全滅寸前だが

「す、すごい…」

「…あれ、ホントにチルノなのか？」

側にいた大妖精や『ルーミア』も唖然としている中、いつの間にか１体だけになっていた敵に対して、チルノはトライピアスを向けていた

「おい、お前」

「『お前』って…僕には『グリ』って名前があるのに…」

「そんなのどうでもいいよ。どっから湧いてきた？こっちは５連戦で結構疲れてるの」

実は、今から一時間以上前から、同じような大軍を、計５回相手していたのだ。そのためか、チルノは大した傷もないのに、かなり疲弊していた

「教えるものか！どうせお前ごとき、『主』に勝つことは出来ない！」

「ふーん…なら、いいよ。その代わり、あんたを氷漬けにするだけだから」

「ひ…逃げるんだよー」

グリは魔法陣を作り出し、その中に消えた。それを遠くで観ていたルーミアと大妖精が、チルノに寄ってきた

「大丈夫なのか？」

「平気平気。ちょっと疲れただけだし」

「でも、逃げられたよ？また次が来るんじゃ…」

「うーん…」

大妖精の言葉に少々考えたチルノ。だが、直ぐにその答えは出た

「…よし。なら私から行ってやる」

「「へ？」」

「何となく根城は分かった。だから、あいつが言ってた主とやらをぶっ飛ばす！」

若干無謀にも感じたが、二人は

「分かったのだ」

「気を付けてね」

頷き、チルノを応援した。それを聞いたチルノも、黙って頷いてから、どこかへ飛んでいった

『…でも、本当にあてはあるのですか？』

途中でフロウがそう聞いた。それに対しチルノは

「うん。一軍目は私達を囲むように現れたけど、その後は同じ方からしか来なかったんだ。逆に言えば」

『その方向に本拠地がある。…と』

「…でも、問題があるんだ」

『…え？』

「多分だけどね。敵の中に…我符所有者がいる気がするんだ」

そう言いながら、チルノは湖の畔にある紅い洋館―『紅魔館』に向かった