東方我烈伝 Cross of OrecaWorld 第３章―七つの大罪―

14th,sin　隠しきれない傷 ページ14

「ふう…」

「レ、レティ…」

マモンを倒し、静寂が訪れた霧の湖。その中、チルノはレティに話し掛ける

「いくつか聞きたいけど…今、秋だよね」

今まで気にされなかったが、今は『付喪神異変』から１年が過ぎた、第129季の神無月(10月)。レティは冬の妖怪である為、本来なら活動していない筈なのだ

「まあ、そうだけど…このスペカ(我符)の補助効果なのかな？それで、力が常に冬同等なのよ」

「そ、そうなん…だ…」

「チ、チルノ!?」

納得したチルノだったが、急に倒れてしまい、レティは慌てて受け止める。その時レティに、痣が出来たチルノの腕を見えた

「まさか、これずっと隠しながら戦っていたの…!?」

今まで抱え込み、隠す事しか出来なかったチルノの傷。よく見れば、腕に限らず足や頬にも怪我をしており、服も所々ボロくなっていた

「すぅ…」

「全く…ん？これは…」

寝ているチルノを見て、少しだけ安堵するレティ。その時、チルノの服から何かが落ちた

「河童が持っていたのと似ているような…人(？)の名前が沢山…そうだ」

アドレス帳が開かれていたようだ。そこにあった名前の内、『十六夜咲夜』の名前を見たレティは、思い付きで、チルノを背負って紅魔館に向かった

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