23. 禁術 ページ23
.
ヴィオルドを取り巻く強風は《
犯罪集団の視線は魔法の主へ向かう。彼女は捕らえられ、手枷をはめられた。杖を没収される。
「これは魔力を無効化するんだよ」
モルティウスは捕らえられたAに説明した。彼女は手枷をはめられた瞬間から、窮屈感に襲われる。無理やり歩かされ、奥の部屋に通された。
薄暗く湿気った狭い部屋の空気はひんやりと冷たい。家具はもちろん、何もない部屋だ。モルティウスはAに向き直り、淑女を誘う紳士のように一房の髪を撫でた。
「君は強い魔法使いだからね、私の計画に協力してもらいたい。正直、あの青年には興味がない。でも、彼らを動かすには丁度良い餌になる」
「なんでポラル・ノクシアを蘇らせたの? いったい何を企んでいるの! 蘇生は禁術だし、成功した話は聞いたことないわ!」
そう。生き返りは禁術だが、そもそも試みて成功した事例がない。失敗して高い代償を支払う羽目になる。それは術者の命だったり、自我だったり、良い結果をもたらすことはない。死者蘇生は誰も触れてはいけない領域なのだ。
それだというのに、この男モルティウスは成功している。その上、何人も生き返らせている。
「レディ・Aが計画に協力する保証がない限り、教えられないね、残念ながら」
仮面の上からでは目元が見えないため、何を考えてるのかわからない。年齢も、瞳の色もわからない。口元と帽子から流れた紺の髪だけが見える。
「計画に参加しても、私にメリットがないもの」
Aは当たり前のことを言うようにつらつらと言葉を並べた。モルティウスは諭すように否定する。
「いいえ、ありますとも。私が支配する世界で望む役職を与えましょう」
「貴方が支配する世界……?」
「ええ、死者の国です」
37人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花宮 夢@低浮上(プロフ) - La merさん» お返事が遅くなってごめんなさい。読んで通知が消えた後、お恥ずかしながら忘れてしまいました。寒いので体調にはお気をつけくださいね。忙しい中、閲覧・コメントありがとうございます。 (2018年1月14日 1時) (レス) id: d55711392b (このIDを非表示/違反報告)
La mer(プロフ) - 夢さん、お久し振りです(*´ω`*) 久々に読ませて頂きました。今後の展開が予想できなくて気になっています……謎の言葉やそれを言った人物の正体も気になるし…… 張り詰めた毎日の良い息抜きになります、ありがとうございます(^^) 良いお年をお迎えください◎ (2017年12月23日 21時) (レス) id: 7b9f054eff (このIDを非表示/違反報告)
花宮 夢@帰国したけど低浮上(プロフ) - MIYA@冬氷雪さん» 遅くなってしまい申し訳ありません。画像はふわりさんの辞典にURLのやり方が載っていました。雑誌の件ですが、今更でよろしければこちらとしては大歓迎です。もちろんタイミングもあるので、できなくても大丈夫ですよ。 (2017年12月23日 18時) (レス) id: 75dac65544 (このIDを非表示/違反報告)
MIYA@冬氷雪 - 花宮 夢@帰国したけど低浮上さん» 今度、レディデイという雑誌で花宮夢さんの特集を作らせてください。お返事待ってます。 (2017年11月25日 13時) (レス) id: f60eebe690 (このIDを非表示/違反報告)
MIYA@冬氷雪 - 花宮 夢@帰国したけど低浮上さん» お久しぶりに帰ってきてくれたんですね?本当にありがとうございます。(意味不!)新しく、CSSを研究中です。良ければ、どんな風に画像のCSSを投稿できるのか教えて欲しいです。どんなにゆっくりでも、いいので完結まで頑張ってください。 (2017年11月25日 13時) (レス) id: f60eebe690 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:桜庭 美羽 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/SakurabaMiu/
作成日時:2017年6月18日 17時