【小説】能力者が通う学園第二章【募集企画】 (ページ27)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:9,738 hit

第77話「同類達と女の子」わいんれっどページ27

・

　急に廊下が騒がしくなったと思ったら、沢山の犬と、猫と、女の子が教室に入ってきた。……猫!?

「にゃ……にゃんこ！あっ……」

　嬉しくなってつい叫んでしまった。最初に女の子に集まっていた視線が、次は俺の方を向く。は、恥ずかしい……

「鋼くん……」

　さっき話していたアヤちゃんが、僕の耳をここ、ここ、と言わんばかりに指差す。それに促されて耳を触ると、もふり、という感触があった。どうやら知らない内に能力を発動してしまっていたらしい。尾も生えていて、ふわふわと犬の様に振っている。分かりやすいなあ、俺……
　触りたい衝動に駆られるけど、ここは我慢、我慢。と思い、猫を見ないよう目を閉じてじっと座っていると、足元を数匹の猫と犬が走り去った。皆が必死に両種を捕まえているらしい。雪彦さんもすばしっこい犬や猫に苦労しているようだ。……皆が必死に捕まえようとしてるんだから、俺も協力しないとだよね。別に、触りたいとかじゃない。決して、そんな思いはない。

「っ、そっちに一匹行ったぞ！鋼、頼む……って、鋼……？」
「ふわあああ……にゃんこが沢山……！可愛いぃぃ……」

　沢山いる猫をかき集めて一気にもふもふする。連れてきてくれた女の子には感謝だなあ……！この子達を捕まえた後で絶対に名前聞かなきゃ！猫をつれてくる人に悪い人は居ない！
　仲良くなれるぞ～と思いながら、俺はにゃんこ……猫を集めてもふもふしていた。