【小説】能力者が通う学園第二章【募集企画】 (ページ26)

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第76話「ダッシュ」哥欲祟ページ26

詩織side

｢あはは！でさ～｣

敬翔(弟)と某チャットアプリで通話していた

やはり話しやすい
さすが弟

とか思ってたら電話がかかってきた

｢ん～？ごめん敬翔、ちょっとミュートにするね｣

｢あ、うん待ってる｣

電話の相手は竜牙

｢はーいもしもし？｣

電話に出ると、向こう側からガチャガチャワンワンにゃーにゃーという騒がしい物音と鳴き声がした

｢詩織！？お前今すぐこっち来い！｣

｢嫌だよ！そっち犬いるんでしょ！？私の喘息、今やっと落ち着いたとこなのに…！｣

犬は好きだ
地球上の生き物で一番好き

けど私に運がなかったのか知らないけど、何故か好きなものに近づけば体調が悪化してしまう

｢てめっ…頼むから来い！俺は動物苦手なんだよ…っ｣

｢クラスの皆に守ってもらいなよ…｣

｢俺がそんなコミュニケーション能力持ち合わせてると思うか？｣

｢テレパシー能力は持ち合わせてたとしても、コミュニケーション能力は皆無だね、うん

分かった分かった、心配だから行くよ｣

早く来い！と返ってきた瞬間電話が切れた

どんだけ必死なんでしょ…

｢ん、敬翔ごめんね～？今から学園戻らなくちゃ…まあ学園でも多分通話できるけどさ｣

敬翔に事情を話す

｢なんで犬と猫の鳴き声がして、その…竜牙？って人が怯えるハメになったのかわかんないけど…

取り敢えず行ってきなよ！通話はまた今度にしよう｣

｢ん、ありがとね～愛してるほんとに

じゃあ行ってきます｣

通話を切り、すぐさま鞄を持って家を飛び出す

鍵閉めてない？大丈夫、私の家なんて誰も興味無い！

ダッシュ、とにかくダッシュ！

…ダッシュしたら喘息になるとかそんなの気にしない！