【小説】能力者が通う学園第二章【募集企画】 (ページ18)

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第68話「退屈で…」哥欲祟ページ18

竜牙side

夢子を修学旅行の観光に誘った結果

OKを貰えた

こんな落ち着いた風に言ってるが、内心すげぇハイテンションだし心臓もバクバク

｢私は構わないけれど…竜牙くんはいいの……?他の方達とは……｣

夢子が心配そうな顔で聞いてくる

その瞬間、過ぎったのは詩織の顔

申し訳ないが、あいつは優しい奴だ

どうせ｢ま、竜牙が決めたことだしね～｣なんて言って流すだろう

｢あぁ、大丈夫だ
心配することなんてねぇよ！｣

思いっきり笑顔で言った

何故こんなに笑えたのか
何が嬉しかったのか

俺には分からない
だが

夢子は優しい
詩織と同じくらいに優しい

きっと、俺が不安そうな顔をしていたのを汲み取って、許可を下ろしてくれたんだろう

あまりに喜びすぎると、あとで痛い目に遭うのはわかっている

俺は、今喜んじゃいけないんだ

｢…そう…？なら是非一緒に回りましょう

よろしくね、竜牙くん｣

夢子が、少し赤くなった顔でふと笑う

ああ、可愛いな

俺はこの笑顔に惚れたのか
…絶対に叶うことのない恋をしたのか

｢…ああ、よろしくな｣

俺は平然を装って頷く

…無謀な自分を嘲笑いながら、また自分の席に戻った

チラッと詩織の席を見ると、姿が消えていた

｢…は？｣

詩織side

私は人の恋愛事情には首を突っ込まないタイプの人間なんだよね

そして退屈すぎた

皆が一緒に行く人を決めて、部屋を決めて…ってしてるとこなんて見てるだけじゃ退屈

かと言って誘われるわけでも誘いたい人が居るわけでもないし

ってことで今から帰ります←

廊下を歩き、すぐ目の前の階段を降り、昇降口(…と言えばいいのだろうか)に辿り着く

そういえば、早退のこと誰にも言ってないな

…まあ、竜牙が察してくれるか
帰ろう