吸血鬼FANTASTICS！

変化 ページ45

堀夏さんと和解(？)してから数日が経った。依然としてまだ元の世界に帰れそうになく、私はそれまでと変わらずFANTASTICSのメンバーに血を捧げていた。
変わったことがあるとすれば･･･。



大樹「世界さん、血もらっていいですか？」

世界「ん、いいよ」



そう、大樹さんが吸血衝動を起こさなくなったのだ。凶暴化する危険性がなくなり今では他の部屋に隔離されることなく血を飲んでいる。
どうやら私の幻の血を飲んで以来発作が起きなくなったようだが、本当のところは分からない。何せ幻の血自体があまり存在しておらずどんな効果があるか確認されていないのだから。ただしまた凶暴化する可能性を考慮し、大樹さんは私の血を飲まないようにしている。



勇征「A〜、ちょっとこっち来て〜」

「はいはい」



何回目になるか分からない勇征さんからの呼び出しに渋々ながらも行こうとすると＿＿＿



グイッ
「うあっ！？」



後ろから誰かに腕を引かれ、私は勇征さんから引き離される。それを見て、勇征さんは私の後ろに立っている人を不満げに睨みつけた。



勇征「ちょっと堀夏、Aをとらないで」

堀夏「お前はAの血に執着し過ぎだ。いい加減離れろ」

勇征「そう言う堀夏も最近はAにべったりじゃん！」

堀夏「･･･俺は別に良いんだよ」

勇征「どういうことだよ！？」



勇征さんの言う通り、ここ最近は私の近くに堀夏さんがいることが多い。何故なのか聞いても堀夏さんは教えてくれないし、他のメンバーからも“応援してるよ”と言われる始末だ。･･･解せぬ。
まぁ勇征さんみたいにしょっちゅう血を吸ってくるわけじゃないから良いんだけど･･･。



世界「あ、そうだ。今日本部から渡航者の視察に来るらしいから準備しといてね〜」

全員「･････････はい！？」



世界さんから唐突に視察があると言われ、一同は一斉に声を揃えて叫んだ。



･･･てか、そんな重要そうなことを平常のトーンで言わないでください！

唐突な訪問→←鈍感すぎる･･･

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