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責任、取ってくれるよな? ページ43

時間にして数十分は経っただろうか。泣いたことで気持ちに区切りがついたのか、堀夏さんは吹っ切れたような表情をしていた。



「すいません、赤の他人の私がでしゃばって・・・」

堀夏「いや、お前のおかげでやっと前を向いていけそうだ。それにしても・・・、さっきは怖い思いをさせて、すまなかった」

「あー・・・、いえ、気にしないでください」



傷つける意思がなかったとは言え、あれは流石に肝が冷えたわ・・・。というかああなったのは私のせいだから、私が修理しないとだね・・・。
堀夏さんの部屋に空いた大穴を見て思わず遠い目をしていると・・・、



ガシッ
「!?」



突然堀夏さんから腕を掴まれ引き寄せられる。顔を上げると、牙を生やした堀夏さんが妖しげに笑っていた。
え・・・、堀夏、さん・・・?



堀夏「んじゃ、今から血飲むわ」

「え!?ちょ、心の準備が・・・!」

堀夏「いただきます」



私の制止も虚しく、彼は私の右腕に噛み付く。



カプッ
「っ・・・!」



痛みは感じたが、黎弥さんが噛み付いた時のような激痛ではなかった。しかし長らくまともな血を飲んでいなかったせいか、ものすごい勢いで血を吸われていくのを感じる。
するとしばらくして、私は身体がフラつくような感覚を覚えた。



あ、これは・・・、
そう思った時には遅く、私の身体は後方に傾く。しかし倒れるより早く堀夏さんが私の身体を支えた。



「ほり、なつさん・・・」

堀夏「塞ぎ込んでいた俺をここまで立ち直らせたんだ・・・。責任、取ってくれるよな?」



口端についた血を舐め取りながら、堀夏さんはそう言った。
責任・・・?どうやって・・・。
血を吸われ過ぎたせいでぼんやりとした頭で考えていると、堀夏さんの紅い瞳と目が合った。



堀夏「俺のものになれ、A」



堀夏さんが私の耳元でそう囁く。
その姿は、人間を魅了し誘惑する吸血鬼そのものだった。

鈍感すぎる・・・→←笑顔でいて



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作品ジャンル:ファンタジー
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菜の花 - えむさん» コメントありがとうございます。この作品が大好きだと言ってもらえてとても嬉しいですし、ワクワクして頂けてるようで何よりです^_^これからも更新できるように頑張っていきます! (2021年7月13日 12時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - 突然のコメント失礼します。このお話大好きすぎて何回も読み返して、更新される度に次どうなっちゃうの〜!?とワクワクしています!これからも作者様のペースで更新していってください!楽しみに待っています(≧ω≦。) (2021年7月12日 7時) (レス) id: 5a5f8a5707 (このIDを非表示/違反報告)
菜の花 - 童磨さん» そうですね・・・。今のところはほのぼのとした展開が続きますが、敵対グループや戦闘シーンはまだ先になりそうです・・・。一応急ピッチで更新しますのでもうしばらくお待ちください・・・! (2021年6月27日 17時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
童磨(プロフ) - いつ頃に戦闘シーンや敵対グループ出てきますか? (2021年6月27日 11時) (レス) id: ce28b5a547 (このIDを非表示/違反報告)
ココア(プロフ) - 菜の花さん» 全然作者様のペースで大丈夫ですよー!気長に読みたい派なので笑能力や吸血衝動など豊富な設定もあって何回読みなおしても面白いです! (2021年6月27日 0時) (レス) id: c818120593 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:竜の騎士 | 作成日時:2021年6月16日 0時

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