吸血鬼FANTASTICS！

孤独な瞳 ページ41

堀夏「･･･は？」



私の言ったことが一瞬理解出来なかったのか、堀夏さんは気の抜けたような声を洩らす。
しかし冗談だと思ったのかすぐさま嘲笑うかのような表情を浮かべる。



堀夏「ふっ･･･、何それ。よく心にもないことが言えるな」

「･････････堀夏さん」

堀夏「俺を説得したいならもう少しマシな言い訳用意してくれる？下らなすぎて虫唾が走る」

「堀夏さん、無理しないでください。･･･本当は、寂しいんですよね？」

堀夏「っ･･･！」



最初は突っぱねるような態度だったが、私の指摘が図星だったのか堀夏さんは一瞬口を噤んだ。だがそれでも自分の気持ちを誤魔化すように反論の声を上げる。



堀夏「いい加減にしろ！俺がそんなこと思うわけ･･･」

「嘘をつかないでください！だったら･･･、だったら、なんで私を拒絶するときそんなに辛そうなんですか！？」



初めて会った時も、私を遠ざけようとしていながらも孤独な目をしていたことを思い出す。本当は関わりたいのに自身が犯したことの責任感でがんじがらめになっているあの目を。
すると堀夏さんは抑えていたものがなくなったのか、堰を切ったように語り出す。




堀夏「俺が、人間と関わってはいけない吸血鬼だからだよ･･･！たった1人の人間の仲間を救えなかった挙げ句、あの人を吸血鬼にしたという前科があるから･･･！」



翔太さんと大樹さんのことだ。堀夏さんは名前までは言わなかったが、黎弥さんから話を聞いていたのですぐに分かった。
彼は、未だ翔太さんのことを引きずったままなんだ。そして大樹さんのことも･･･。



堀夏「それに･･･、俺のせいでお前はあの人･･･大樹くんに襲われた。だからっ･･･、あの人を吸血鬼にした俺が、お前を殺そうとしたも同然なんだよ･･･！」



泣きそうなのを堪えるようになりながら語る彼に、そういうことかと納得する。
･･･この人は自分のせいだと思って、何もかもを1人で背負い込んでしまっているんだ。

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