拒絶 ページ39
「よっと・・・」
世界さんが作った空間の中をしばらく漂っていると、突然視界が開け部屋の中に放り出された。急だったがなんとなく予想して構えていたので転ばずに踏みとどまった。
堀夏さんの部屋はあまり物が置かれておらず、小さなテーブルと椅子、部屋の隅にあるベッドだけだった。
そしてそのベッドの上に堀夏さんが蹲っているのが見えた。
堀夏「っ!・・・お前、なんでここに来た・・・」
「もちろん堀夏さんに血を飲んでもらう為です。このままだと死んじゃいますよ」
私が来たことに気づき驚いたように顔を上げた堀夏さんは、食事をしていないせいで痩せており、顔も青白かった。
堀夏「・・・俺に関わって来るなと言ったはずだ。お前の血を吸うつもりはない」
「でも私はFANTASTICSに血を捧げると宣言しましたから。堀夏さんにも飲んでもらう為にここに来たんです」
堀夏「要らないっつってんだろ。お前に用はない、もうここに2度と来るな」
堀夏さんの鋭い視線が刺さる。全てを拒絶するようなその姿に引き下がりそうになるが、私も諦めるわけにはいかない。
「そんなこと言わないでください。私はこれ以上、堀夏さんが苦しむのを見たくなくて___」
堀夏「黙れ!!」
その瞬間、私の頬のすぐ近くを目に見えない“何か”が掠め、後ろの壁に激突した。後ろを振り返ると壁に大きな穴が空いており、壁の向こうが見えるほどまでに貫通していた。
「え・・・」
突然の出来事に、頭の中が真っ白になる。
堀夏「お前に何が分かる。異世界から来た人間が、知ったような口を聞くな」
いつの間に移動したのか、堀夏さんは私の目の前に立っていた。そして驚いて声が出ない私に___
堀夏「出て行け。でないと、お前の命はないぞ」
最後の忠告だと言わんばかりに、そう言い放った。
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菜の花 - えむさん» コメントありがとうございます。この作品が大好きだと言ってもらえてとても嬉しいですし、ワクワクして頂けてるようで何よりです^_^これからも更新できるように頑張っていきます! (2021年7月13日 12時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - 突然のコメント失礼します。このお話大好きすぎて何回も読み返して、更新される度に次どうなっちゃうの〜!?とワクワクしています!これからも作者様のペースで更新していってください!楽しみに待っています(≧ω≦。) (2021年7月12日 7時) (レス) id: 5a5f8a5707 (このIDを非表示/違反報告)
菜の花 - 童磨さん» そうですね・・・。今のところはほのぼのとした展開が続きますが、敵対グループや戦闘シーンはまだ先になりそうです・・・。一応急ピッチで更新しますのでもうしばらくお待ちください・・・! (2021年6月27日 17時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
童磨(プロフ) - いつ頃に戦闘シーンや敵対グループ出てきますか? (2021年6月27日 11時) (レス) id: ce28b5a547 (このIDを非表示/違反報告)
ココア(プロフ) - 菜の花さん» 全然作者様のペースで大丈夫ですよー!気長に読みたい派なので笑能力や吸血衝動など豊富な設定もあって何回読みなおしても面白いです! (2021年6月27日 0時) (レス) id: c818120593 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竜の騎士 | 作成日時:2021年6月16日 0時