本当の償い ページ33
颯太の言った意味が分からず、思わず呆けた声が出る。しかししばらくして言葉の意味を理解すると、すぐにそんなことはないと首を横に振る。
大樹「そんな訳ないだろ･･･。人を殺そうとした俺が死んだところで･･･」
颯太「じゃあ言い方を変えます。＿＿＿大樹くんを助けたいと吸血鬼にした堀夏くんはどうなるんですか？」
その言葉に俺はハッとする。
颯太「堀夏くんは瀕死の状態の大樹くんを見て、“仲間を失いたくない”という想いで大樹くんを吸血鬼にしたはずですよ。翔太くんのような後悔をしたくない為に。世界さんも言ってたじゃないですか。“翔太が亡くなっても、FANTASTICSは9人で１つだ”って。まだこれからなのに大樹くんが死んだら･･･、僕たちも、翔太くんも辛いですよ」
大樹「･･･そう、だよな」
颯太「後･･･、恐らくAも大樹くんの死は望んでいないと思いますよ」
大樹「え？」
颯太「Aが言うには向こうのFANTASTICSはアーティスト集団みたいですけど･･･。AはFANTASTICSのメンバー1人1人好きだと言ってました。そこには大樹くんも入ってます。僕はAの言うFANTASTICSとここでのFANTASTICSは違うと言ったんですが･･･、Aは“それでもここのFANTASTICSも好きです。こうやってメンバーとの生活するのが楽しいので。吸血衝動で難しいとは思うけど、大樹さんとも仲良くなりたいです”って言ってましたから」
大樹「っ！！」
颯太「大樹くんが償いをしたいと言うのなら･･･。Aにちゃんと謝ることだと思いますよ。大樹くんの言う“死”はただの“逃げ”です」
颯太の言うことはとても正論で真っ直ぐに俺の胸に刺さった。
･･･そうだ。俺がやろうとしてたのは、苦しいことを仲間に押しつけてあの世に逃げる臆病者のやることだ。確かに颯太の言う通り俺が死んだらメンバーは悲しむだろうし、翔太にはあの世で“何しに来たんですか”って怒られるだろうな。
･･･ならいつまでもうじうじしている暇はない。俺がやるべきことは１つだ。
＿＿＿Aに、ちゃんと謝ろう。
そう決意した大樹の目には、先程までにはなかった強い光が宿っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「LDH」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菜の花 - えむさん» コメントありがとうございます。この作品が大好きだと言ってもらえてとても嬉しいですし、ワクワクして頂けてるようで何よりです^_^これからも更新できるように頑張っていきます！ (2021年7月13日 12時) (
レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - 突然のコメント失礼します。このお話大好きすぎて何回も読み返して、更新される度に次どうなっちゃうの〜！？とワクワクしています！これからも作者様のペースで更新していってください！楽しみに待っています(≧ω≦。) (2021年7月12日 7時) (レス) id: 5a5f8a5707 (このIDを非表示/違反報告)
菜の花 - 童磨さん» そうですね･･･。今のところはほのぼのとした展開が続きますが、敵対グループや戦闘シーンはまだ先になりそうです･･･。一応急ピッチで更新しますのでもうしばらくお待ちください･･･！ (2021年6月27日 17時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
童磨(プロフ) - いつ頃に戦闘シーンや敵対グループ出てきますか？ (2021年6月27日 11時) (レス) id: ce28b5a547 (このIDを非表示/違反報告)
ココア(プロフ) - 菜の花さん» 全然作者様のペースで大丈夫ですよー！気長に読みたい派なので笑能力や吸血衝動など豊富な設定もあって何回読みなおしても面白いです！ (2021年6月27日 0時) (レス) id: c818120593 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：竜の騎士 | 作成日時：2021年6月16日 0時
