血ヲ吸ッテヤル ページ29
「た、大樹さ･･･、くる、しい･･･！」
大樹「･････････」
身体を押さえつけられている私はなんとか身を捩って抜け出そうとするが、大樹さんはそんな私を逃がさないかのように更に力を込める。その人間離れした握力によって、私の身体はミシミシと嫌な音を立てる。
「ぁああっ･･･！」
痛い、痛い、痛い。身体が押し潰されそうな痛みに、私は声を上げることしか出来ない。
大樹「･･･美味ソウ」
「ひ･･･」
そう言いながら舌舐めずりをする彼の姿は、得体の知れない恐ろしい化け物に見えた。すると大樹さんが突然、鋭く変化した爪で私の首を切り裂いた。
「いっ･･･！」
不意に首筋に走った激痛。そして遅れてジリジリと焼かれたような痛みに、思わず私は顔を歪める。
大樹「っ･･･！A･･･」
「大樹、さん･･･？」
するとそんな苦悶の表情を浮かべた私を見たからか大樹さんの目が揺らぎ、正気を取り戻したかのように私の名前を呼ぶ。が･･･、
大樹「･･･イイ、匂イ･･･」
私の血の匂いに吸血鬼の本能が刺激されたのかまた狂気的な目に戻り、大樹さんは自身の爪に付いた私の血をペロリと舐めた。
そしてその血の味に恍惚とした笑みを浮かべると、美しくも獰猛な瞳が私の首筋から流れる血を捉える。
大樹「モウ、我慢デキナイ」
そして次の瞬間＿＿＿大樹さんは私の首筋に勢いよく喰らい付いた。
ガブッ
「ぁ･･･！」
首筋に走る鋭い痛み。その痛みはどんどん拡がっていき、やがて麻痺していく。
このままじゃマズい･･･！そう思った私は最後の力を振り絞って抵抗しようとするも吸血鬼の力に敵うはずもなく、大樹さんに血を吸われるがままだった。
ゴクッ、ゴクッ･･･。
首元で血を吸われている音をぼんやりと聞きながら＿＿＿私の意識は闇へとゆっくり堕ちていった。
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菜の花 - えむさん» コメントありがとうございます。この作品が大好きだと言ってもらえてとても嬉しいですし、ワクワクして頂けてるようで何よりです^_^これからも更新できるように頑張っていきます！ (2021年7月13日 12時) (
レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - 突然のコメント失礼します。このお話大好きすぎて何回も読み返して、更新される度に次どうなっちゃうの〜！？とワクワクしています！これからも作者様のペースで更新していってください！楽しみに待っています(≧ω≦。) (2021年7月12日 7時) (レス) id: 5a5f8a5707 (このIDを非表示/違反報告)
菜の花 - 童磨さん» そうですね･･･。今のところはほのぼのとした展開が続きますが、敵対グループや戦闘シーンはまだ先になりそうです･･･。一応急ピッチで更新しますのでもうしばらくお待ちください･･･！ (2021年6月27日 17時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
童磨(プロフ) - いつ頃に戦闘シーンや敵対グループ出てきますか？ (2021年6月27日 11時) (レス) id: ce28b5a547 (このIDを非表示/違反報告)
ココア(プロフ) - 菜の花さん» 全然作者様のペースで大丈夫ですよー！気長に読みたい派なので笑能力や吸血衝動など豊富な設定もあって何回読みなおしても面白いです！ (2021年6月27日 0時) (レス) id: c818120593 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：竜の騎士 | 作成日時：2021年6月16日 0時
