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逃げろ・・・! ページ28

「堀夏さんどこにいるんだろう・・・」



先程澤さんの“食事”が終わり、私は以前部屋の前で会って以来姿が見えない堀夏さんを探していた。堀夏さんに血を飲んでもらおうと地道に探しているのだが、中々見つからない。
そして薄い望みをかけながら談話室(私が最初に寝かされていた部屋)のドアを開けると___



大樹「っ、A・・・?」

「あ、大樹さん・・・」



談話室には堀夏さんではなく、大樹さんが1人だけでいた。颯太さんから“大樹くんと2人きりになってはいけない”と言われているが、大樹さんとの距離はかなりあるので大丈夫だと判断しそのまま堀夏さんの居場所を聞くことにする。



「あの、堀夏さんどこにいるか知ってますか?」

大樹「堀夏くん・・・?ごめん、分からないわ・・・」

「そうですか・・・」



堀夏さんの居場所が分からず落胆する私。するとそんな私に気まずそうにしながらも大樹さんが話しかける。



大樹「・・・ここでの生活は慣れた?」

「あ、はい。ちょっと大変なこともありますけど、楽しくやれてます」

大樹「そっか。俺が出来ることはあまりないけど、何かあったら言ってね」

「!ありがとうございます・・・!」



向こうの大樹さんと同じ穏やかな表情を見せる彼に、私が安堵のため息をついたその時___



大樹「ぐぁっ・・・!」

「!?」



突然、大樹さんが胸を押さえて苦しみ出したのだ。



「大樹さん!?大丈夫で___」

大樹「来るな!!」



思わず大樹さんに近寄ろうとしたが、大樹さんの叫び声で足を止める。



大樹「こっちに来るな・・・!今近づいたら、俺はAを襲ってしまうっ・・・、だから、逃げろ・・・!」

「っ!は、はい・・・!」



その様子から大樹さんが吸血衝動を起こしてしまったことに気づいた私は、すぐさま大樹さんに背を向け扉の方へ向かう。そしてドアノブに手を伸ばそうとするも・・・、



ガシッ
「ひゃっ・・・!」



それよりも早く身体を掴まれ、私は床に押し倒される。恐る恐る目を開けるとそこには___



紅い瞳をした大樹さんが、真っ直ぐに私を見下ろしているのが見えた。

血ヲ吸ッテヤル→←餌としての日常



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作品ジャンル:ファンタジー
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菜の花 - えむさん» コメントありがとうございます。この作品が大好きだと言ってもらえてとても嬉しいですし、ワクワクして頂けてるようで何よりです^_^これからも更新できるように頑張っていきます! (2021年7月13日 12時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - 突然のコメント失礼します。このお話大好きすぎて何回も読み返して、更新される度に次どうなっちゃうの〜!?とワクワクしています!これからも作者様のペースで更新していってください!楽しみに待っています(≧ω≦。) (2021年7月12日 7時) (レス) id: 5a5f8a5707 (このIDを非表示/違反報告)
菜の花 - 童磨さん» そうですね・・・。今のところはほのぼのとした展開が続きますが、敵対グループや戦闘シーンはまだ先になりそうです・・・。一応急ピッチで更新しますのでもうしばらくお待ちください・・・! (2021年6月27日 17時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
童磨(プロフ) - いつ頃に戦闘シーンや敵対グループ出てきますか? (2021年6月27日 11時) (レス) id: ce28b5a547 (このIDを非表示/違反報告)
ココア(プロフ) - 菜の花さん» 全然作者様のペースで大丈夫ですよー!気長に読みたい派なので笑能力や吸血衝動など豊富な設定もあって何回読みなおしても面白いです! (2021年6月27日 0時) (レス) id: c818120593 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:竜の騎士 | 作成日時:2021年6月16日 0時

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