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それでも私は ページ26

黎弥「さっきも言ったように本人の同意を得ずに人間を吸血鬼に変異させるのは罪になる。でも夏喜の場合は翔太を亡くしたことで精神が不安定だったのと、大樹くんを助けたいという気持ちがあったから特例で不問になったが・・・。やっぱり勝手に吸血鬼にした罪悪感はあるみたいで、ここ最近は自ら食事を絶ったり不味い動物の血を飲んだりしている」

「そうか、だから・・・」



堀夏さんが血を飲むつもりはないと言ったのは、そういうことなのか。



黎弥「・・・Aが夏喜を気にかけているのはありがたいが、あの状態だと頑として血を飲まないと思う。だからそっとしておいた方が・・・」

「いえ・・・私は堀夏さんに血を飲んでもらいたいです」



言葉を遮ってそう宣言した私に、黎弥さんは目を丸くさせる。



黎弥「何を言ってるんだ?夏喜は一度決めたことを簡単に変えるようなことはしない。正直、時間の無駄だと思うぞ」

「確かに、そうかもしれません。それでも、私は堀夏さんと関わりたいんです。それに・・・このままだと堀夏さん、栄養失調で死んじゃいますよ」

黎弥「っ・・・」



堀夏さんは自身を罰するために動物の血を飲んでいるようだが、それを長い間続けていたら衰弱するし、最悪の場合死んでしまうだろう。
もしそうなったら、今度は大樹さんが自責の念に駆られて自ら命を絶ってしまう可能性がある。___そんな負の連鎖は、絶対に起こさせたくない。



黎弥「・・・そうだな。このままだと夏喜が死んでしまうのかもしれないってのに・・・。俺は何をやっていたんだ・・・」

「今からにでも血を飲んでもらえば、少し状況は変わってくると思うんです。だから・・・堀夏さんに私の血を飲むように説得してくれませんか?」



黎弥の目を真っ直ぐに見てそうお願いすると、黎弥さんは力強く頷いた。

黎弥「ああ、もちろん。夏喜が応じるかは分からないが、やってみるよ」

「!ありがとうございます!」



その返事を聞いて安堵したと同時に、私の中で堀夏さんと向き合う決心がつくのを感じた。



___絶対に、堀夏さんに私の血を飲んでもらってみせる。



元の世界に帰るまでの目標として、私は心の中でそう誓うのだった。

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作品ジャンル:ファンタジー
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菜の花 - えむさん» コメントありがとうございます。この作品が大好きだと言ってもらえてとても嬉しいですし、ワクワクして頂けてるようで何よりです^_^これからも更新できるように頑張っていきます! (2021年7月13日 12時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - 突然のコメント失礼します。このお話大好きすぎて何回も読み返して、更新される度に次どうなっちゃうの〜!?とワクワクしています!これからも作者様のペースで更新していってください!楽しみに待っています(≧ω≦。) (2021年7月12日 7時) (レス) id: 5a5f8a5707 (このIDを非表示/違反報告)
菜の花 - 童磨さん» そうですね・・・。今のところはほのぼのとした展開が続きますが、敵対グループや戦闘シーンはまだ先になりそうです・・・。一応急ピッチで更新しますのでもうしばらくお待ちください・・・! (2021年6月27日 17時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
童磨(プロフ) - いつ頃に戦闘シーンや敵対グループ出てきますか? (2021年6月27日 11時) (レス) id: ce28b5a547 (このIDを非表示/違反報告)
ココア(プロフ) - 菜の花さん» 全然作者様のペースで大丈夫ですよー!気長に読みたい派なので笑能力や吸血衝動など豊富な設定もあって何回読みなおしても面白いです! (2021年6月27日 0時) (レス) id: c818120593 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:竜の騎士 | 作成日時:2021年6月16日 0時

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