吸血鬼FANTASTICS！

餌 ページ3

危うく大声を出しそうになるのを抑えつつも、こっそり動揺している私の横で呆れた声が上がる。



？「お前、また突拍子もないことを･･･」

？「第一、餌になってもらうとしてもこの子の了承がないと無理だよ？」

？「本人の意向を無視して餌にするのは禁じられてるからね」



ホッ、良かった･･･。どうやら無理に餌にされることはなさそうだ。
･･･餌がどういう意味なのか分からないけど。



？「つーか、仮にそうなったとしても部屋はどうすんだよ？」

？「もう部屋はみんな使ってるんじゃ･･･、いや、確か一部屋あったな」

？「そうそう、その部屋を使ってもらおっかなって」

？「でもその部屋長い間使われてないから埃っぽいんじゃない？」

？「そーなんだよね･･･、というわけでサワナツ君、掃除お願いっ」

サワナツ「俺がやるの！？･･･まぁ今ちょうど暇だしいいけど」



･･･なんだかFANTASTICSの澤本夏輝さんの略称みたいな名前だなぁ。
「サワナツ君」と呼ばれた人は掃除を丸投げされたことに驚きつつも、渋々と了承した。



サワナツ「ところでソウタ。その子まだ起きないの？」



と、サワナツさんがソウタと呼ばれた人に声をかける。



ソウタ「まだ寝ていますね。･･･恐らくしばらく起きないかと」

サワナツ「そうか･･･、じゃあソウタはここでその子を見張ってて。それ以外のみんなは一応各自部屋でこの子について引き続き調べてくれ」

ソウタ「分かりました」

？「は〜い」

？「了解！」

？「･･･分かった」

？「任せとけ」



口々に返事をした人たちは調べる為に部屋に行ったのか、さっきまでの賑やかさがなくなり辺りはシンと静まり返った。
ソウタさんが近くにいる気配を感じながらも、私は先程彼らが言っていた“餌”について考えていた。



餌ってなんなんだろう･･･、普通に考えると食べ物なんだろうけど、人を餌って･･･、ってことはまさかこの人たち、人間じゃないんじゃ･･･、いやいや流石にそんなこと･･･。



そんな答えの出ないことを悶々と考えていると＿＿＿



ソウタ「寝たフリはやめて起きたら？」

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