吸血鬼FANTASTICS！

澤夏の怒り ページ11

勇征「げ･･･！」

黎弥「やば、あの人のこと忘れてた･･･！」

慧人「さ、澤夏くん僕たち何もしてないよ！Aちゃんの血を吸おうだなんて1ミリも思ってないから！」



どうやら澤さんが来るのは想定外だったらしく、黎弥さんたちは慌てて私から離れていった。



澤夏「血を吸う気がないって？よく言うよ、あんなに堂々と牙を出しておいて。あれで誤魔化せるとでも思ってるの？」

慧人「うぐっ･･･」

勇征「あの･･･、怒ってます？」

澤夏「めちゃめちゃ怒ってるよ？結局その子の部屋の掃除やご飯の準備はほとんど俺がやったんだからね。･･･1人で準備するのは大変だったんだよ？」

勇征「･･･スイマセンデシタ」



澤さんに小言を言われシュンとなる2人。なんだか悪いことして飼い主に怒られてるワンちゃんみたい･･･。



黎弥「お、俺は吸血しようとはしてないですよ。ただAの腕に埃がついてたから取ろうとしただけで･･･」

颯太「いやその言い訳だいぶ無理があるでしょ。黎弥くん、Aの血吸う気満々だったじゃないですか」

黎弥「ちょ、颯太、俺は決してそんなことは･･･」

澤夏「･･･黎弥、後で覚えておいてね？」

黎弥「おいぃぃぃ！？」



黎弥さんの必死の弁明も颯太さんにの鋭いツッコミによって打ち砕かれ、それを聞いた澤さんの笑み(ダークスマイル)が更に深くなった(ような気がした)。黎弥さんの刑が確定した瞬間である。



澤夏「･･･いろいろ言いたいこともあるし自己紹介もしたいところだけど、それはみんなが集まる食事の時にでもしようか。颯太、先にその子を連れてリビングに行ってくれる？」

颯太「はい、分かりました」

「あの、澤さんは･･･？」

澤夏「えっ？･･･ああ、俺はこの3人と“お話”してから行くつもりだよ。だから、先に行って待っててくれないかな？」

「あ(察し)、はい･･･」



澤さんは私があだ名で呼んだことに一瞬驚いたようだが、すぐに笑顔でそう答える。
＿＿＿“お話”って言ってるけど説教なんだろうな･･･。



颯太さんに手を引かれながら部屋を退出した私は、心の中で黎弥さんたちに合掌するのだった。

メンバーの名前→←収拾がつかない･･･

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す