吸血鬼FANTASTICS！

ここはどこ？そして誰？ ページ2

「･･･ぅ･････････」



一体どれほど寝ていたのか。長い間気を失っていたせいか頭が上手く働かず、身体もとてもだるく力が入らない。
すぐに動けそうになかったのでゆっくり目を開けると豪奢な作りの壁が見えた。見たところどこかの屋敷のようだった。
誰かが私をここに連れてきたらしい。私はソファに寝かされ身体には毛布が掛けられていた。



どこだろう、ここ･･･？



ここがどこなのか疑問に思っていると、頭上から声が降りかかる。



？「＿＿＿それで？この子のこと何か分かった？」

「っ！･･･」



感情がこもっていない無機質なその声色に、思わず私は起きていることに気づかれないように慌てて目を閉じた。
するとその声に応えて別の人の声が聞こえてくる。



？「いや、それが全然分からなくて･･･」

？「一緒に落ちてた鞄の中を見たけど、めぼしい情報はなかったよ」



最初の人とは少し若い男性たちの声だった。
どうやら私のことを調べており鞄を漁っていたらしい。それを聞いて、私は密かに恐怖を覚える。



･････････まさか誘拐？この人たちは私をどうするつもりなの？



？「だとするとこの子、“渡航者”じゃない？」

？「･･･多分そうだろうね。そういう“匂い”がするし」



先程の人たちとはさらに別の人が発した言葉に、私は疑問を覚える。



“渡航者”って何･･･？というか“匂い”って･･･？



聞き慣れない言葉に困惑している間も、会話は進んでいく。



？「渡航者だとすると本部に連絡しなきゃいけないけど･･･、リーダーの2人はどこに行った？」

？「ああ、さっき“食事“してくるってあそこに行ったよ。多分時間かかると思う」

？「そうか･･･。ならしばらく待つしかないな･･･」



1人がため息混じりにそう言うと、先程私の鞄を漁っていたという人が唐突に声を上げる。



？「てかさぁ、この子を僕たちの“餌”にできないの？」

「！？！？！？」



えっ、この人急に何言ってんの！？

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