序章最終章 少女の涙 ページ5
少女は戦っていた。大切なものを守る為に、押し寄せてくるバケモノを切り続けた。
…どれ位経ったのだろうか、バケモノはほとんど消えて、少女の立っている場所は屍の山となった。
少女…オルフェッカの体は悲鳴を上げていた。足は立っているのがやっとで剣を使わなければ立てないほどだった。腕は剣を掴むのがやっとだった。視界は段々とぼやけていく。
少女…真白は悟った。もう死ぬのだと。
自然と体が痛くなくなっていった。頬に何か暖かい何かが流れているような気がしたが、気にしなかった。何か聞こえた気がしたがそこで真白の意識は途絶えた。
目覚めたのは、見慣れたあの部屋だった。重みを感じ横を見ると蓮が寝ていた。
真白は蓮の頭をそっと撫でた。そっと撫でたつもりだったが、蓮が起きてしまった。
「ね、えさん?姉さんなの?ドッキリじゃない?ナチ!姉さんが起きたよ!」
蓮がそう言うとナチが走ってくる。足元に頭をスリスリしてくるので少しくすぐったい。
その時、どこか違和感を感じた。蓮の髪が結構伸びているのだ。髪なんてすぐに何センチも伸びるはずがない。そう思った真白は蓮に聞く。
「蓮、私はどれくらい眠っていたの?」
そう聞くと蓮は言いたくなさそうな顔をしながらも言った。
「1年位かな…」
真白は驚いた。自分が一年間も眠っていたなんて、嘘だと思ったが蓮はそんな嘘をつかないので、
事実なんだということが、分かった。真白は言う。
「そう…じゃあ今から一年分を取り戻さなきゃ…」
そういうと起き上がり身だしなみを整える。窓を見ると夕方だった。そして蓮の方を向いて笑う。
「じゃあ、夜ご飯作ろっか」
「……!そうだね早く作ろう。」
そういうと二人は台所へ向かっていった。
辻屋真白の14歳の記録…end
これは真白の14歳の時から15歳になった時の記録…
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