阻止そのはち ページ10
side ロー
「ぶふっ…そんなっ…ことも、あったねぇ…」
「オイ笑うならちゃんと笑え微妙に堪えるな」
「笑ったらどうするんだい？」
「殴る」
「酷い！！」
きゃらきゃらと意地悪く笑う目の前の女
日など優に落ちた深夜の黒
そんな中でも声を潜めず苦しい程に笑う姿に溜め息も出るというもの
元はと言えば全てコイツのせいなのだが本人は面白がってまるで気にしちゃいねぇ
それどころか例の事件がニュース・クーによって世界へとばらまかれた話を始めた
あの時の紙面まだ持ってるよ
捨てろそんなもん
本当に、何故こんな女に惚れちまったのか
おれ自身も皆目検討が付かない
見目だけは良いせいか、はたまたすぐ死のうとするその気質か
月を背にしたA屋のあの儚さか
思えばこれも随分と当たり前の行為になってしまった、と未だこちらを煽るように笑うA屋を見て思う
始まりは本当に偶然だった
コイツと出会って半年が経とうとしていたとある航海の最中
何度目か海で拾い上げたA屋を船に乗せた時の話だ
ガチャガチャ、バタン、トントン
海賊も寝静まるような夜には合わない物音にゆっくり意識が浮上していく
再び眠ろうにも自 殺という2文字を抱えたA屋が頭の中を駆け回ったので苛つきながら床を抜けた
物音に誘われ歩き回った先にいたのは予想道理の相手
悪戯が見つかった子供のような顔でこちらの名前を呼ぶものだから呆れの溜め息が溢れる
眠れないのだと、何でもない様呟いたコイツを医者として放っておけなくて
『あの睡眠薬はやらねぇからな』
『残念、効かなかったよソレ』
『やっぱお前が使ってたのか』
『おや嵌められちゃったかい？』
さりげなく酒をくすねようとする手をぺちんとはたき代わりを渡す
『ホットミルク？』
『酒何かよりよっぽどいいだろ』
君意外と純情だよね、何て言いながら湯気の立ち上るカップに口を付けるA屋
1口含めば伏せた瞼が見開かれ口角はへの字に曲げられ
『なにこれあっまぁ…
ロー君も大概料理へたっぴだね』
『文句言うなら鬼哭で沈めるぞ』
海風がびゅうと参って、突然アイツの空気が変わった
『…ねぇ、また作ってよ』
あの時の横顔が、やけに綺麗だったのを覚えている
「ほらよ」
「お、いつもありがとねぇ…」
いつの間にか置かれていたコイツ自前のカップにそっと口が付けられた
「んふふ、美味しい」
そう言って、満足そうに笑った
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ハオリ(プロフ) - お久し振りです。また読んで頂けて嬉しいです〜！アイカはこの話だけのモブキャラ(にしたい)。うちの夢主見るからにメンヘラホイホイなので参戦して頂きました。いつか再登場する可能性もミリ… (6月23日 21時) (
レス) id: 63fc1d629d (このIDを非表示/違反報告)
夜叉 - 久し振りに私も、戻ってきたよ！アイカ？ONE PIECEキャラですｶ? (6月23日 20時) (レス) @page9 id: b5175e4557 (このIDを非表示/違反報告)
ハオリ(プロフ) - 夜叉さん» 「おや！私と心中を希望かい！！嬉しいねぇ、それじゃあ早速…あ、ロー君。……逃げようか！！」「コアラさん美しいよねぇ…何度か心中を申し込んでいるんだけれど断られてね…あーサボ君が羨ましい」 (5月25日 17時) (レス) id: 63fc1d629d (このIDを非表示/違反報告)
夜叉 - あっ、では私喜んで一緒に入水しましょ〜ダメなら私コアラのところまで浮気しますよ！ (5月25日 1時) (レス) @page8 id: 94a3032682 (このIDを非表示/違反報告)
ハオリ(プロフ) - 夜叉さん» もしヤベェ薬を飲んでも多分その日のうちに目覚めます。こいつはとんでもねぇ化け物だ。OD自殺を企てても大抵薬が効かないせいで未遂に終わります。入水等は運の良さ(悪さ)と生命力が相まっての結果ですね。 (5月19日 23時) (レス) id: 63fc1d629d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハオリ | 作成日時：2023年4月6日 6時
