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隼「俺が買ってくるよ。Aは何がいい?」
『え、いいの?じゃあ爽のバニラ!』
もはや恒例となった玲於とAの言い合いも、こうやっていつも収束させてくれるのが隼であった。
玲於とAはお互い我が強く頑固なタイプであったが、中立の立場である隼の存在のおかげで3人のバランスが上手く取れているのかもしれない。
じゃあ行ってくるねと、隼は帽子を目深に被り部屋を出ていった。
その際に玲於が俺の意見は?と不満を漏らしたが、チラッと振り返っただけでスタスタと部屋を出ていってしまった。
『あーあ、玲於が怒らせた。笑』
玲於「お前のせいだろ。」
『は?違うもん。』
今はキーパー的存在である隼が不在なため、数分にも渡って言い合いは続いた。
舞台では大人っぽく且つ、パワフルなダンスを見せるAだったがこうしていると普通の女の子である。
それもそのはず、2012年現在の年齢は15歳。
高校に上がったばかりである。
その年齢でのデビューは当時にしては珍しいものだった。
それ程、彼女のダンスに対する才能は素晴らしいものだったのだろう。
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それから暫くして隼が事務所近くにあるコンビニから袋を下げて帰ってきた。
Aと玲於の二人はというと、言い争いの末クランプ対決にまで発展していた。
隼が部屋に入ると、床に突っ伏す玲於とその傍らでしたり顔で玲於を見下ろすAの姿がすぐに目に入った。
玲於「クソッ!」
隼「またやってたの?はい。A、爽のバニラね。」
『わーありがと!』
ひんやりとしたアイスをおでこに当て身体の火照りを鎮める。
Aのダンスには同年代の男子ですら付いていくことが出来なかった。
そんな彼女のことを皮肉を込めて玲於はバケモノと密かに呼んでいたのだという。
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めいこ(プロフ) - のりたまさん» ミスです。ご指摘ありがとうございます。 (2018年8月10日 22時) (レス) id: aeea69314b (このIDを非表示/違反報告)
のりたま(プロフ) - コメント失礼します。 believe it outではなくてBRAVE IT OUTではないんですか?作中のオリジナルのですか? (2018年8月10日 21時) (レス) id: 0c9cd69501 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めいこ | 作成日時:2018年3月21日 22時