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そんな昔の思い出に思いを馳せている間も、直人はニコニコとAの様子を伺っていた。
そんな、彼に気が付き首を傾げると大丈夫?と彼の口は動いた。
『何がですか』
直人「だって明日デビューでしょ、Aは昔から何も言わず溜め込むタイプだから心配なんだよ」
『大丈夫です、楽しみですよ!』
大丈夫は呪文のような言葉。そう言い聞かせていないときっと不安に飲み込まれておかしくなってしまいそうだったから。
直人「ちょっとだけ、外の空気吸いに行かない?」
直人さんの突然の提案に少し戸惑いつつも、首を縦に振り二人で部屋をあとにした。
会社のエレベーターを降り、本当に外まで出てしまいそうな彼に声をかける。
『本当に外まで行くんですか?』
直人「うん、大丈夫だよ、この時間だし。」
そうなのかなって不安を抱きつつも会社の外にあるベンチに二人で腰掛けた。
二人の間には1人分以上の隙間が空いていた。
直人「なんか、こうやってAと二人で居るのも久しぶりだね」
『ですね』
直人「あのさ、その敬語なんとかならない?笑
前は直人くんって呼んでくれてたのに」
『やめてください、そんな小さい頃の話』
LDHに所属する今、大先輩である直人さんにタメ口でましてや直人くんなどと気軽に呼べる程、底抜けた性格でもなかったのだ。
Aが否定すると直人さんはどこか寂しそうな顔で、そっかってポツリと呟いた。
直人「明日不安でしょ」
『そんなことないです』
直人「嘘だ。顔に書いてあるよ?不安で不安でたまらないって。笑」
『うそぉ!笑』
直人「うん、嘘。笑」
『もうやだ直人くん。』
Aがそう言うとふたり仲良く。あっ。と綺麗に声が重なった。
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めいこ(プロフ) - のりたまさん» ミスです。ご指摘ありがとうございます。 (2018年8月10日 22時) (レス) id: aeea69314b (このIDを非表示/違反報告)
のりたま(プロフ) - コメント失礼します。 believe it outではなくてBRAVE IT OUTではないんですか?作中のオリジナルのですか? (2018年8月10日 21時) (レス) id: 0c9cd69501 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めいこ | 作成日時:2018年3月21日 22時