第肆話 ページ6
疑問が解けた。
先程の手応えがなかったのも、それによるものだろう。
その結論に辿り着いたのは部屋に着く少し前だった。
「では!鋏を持ってきますから待っていてください!」
やっぱり楽しそう…不思議な娘だ。
椅子を用意し、ゴミ箱を適当に取りに行く。
椅子に座り、ボーッとする。
時透無一郎…何故私を助けたのかが分からない。
私を助けるデメリットはあってもメリットはないだろうしな…
うつらうつらと考えていると神崎アオイが戻ってきた。
その傍らには髪を後ろで蝶の飾で止めた神崎アオイよりも大人びた女性…そして鬼の血の匂い
後は…藤の花…?
「無花果さん、こちら紹介します!この館の主である蟲柱胡蝶しのぶ様です!」
「はじめまして、胡蝶しのぶと申します。以後お見知り置きを」
どうしてここに来たのだろう。
「ではしのぶ様…お願いします」
?どういうことだ
「では切らせていただきますね。動かないで頂けると有難いのですが…?」
近付いてくる蟲柱を表面には出さないように警戒する。
もし私の正体を知れば
だが私の頭に触れられたのは優しさを持った掌だった。
「前髪を切りますから少し目をつぶって頂けますか?」
言われた通りに目をつぶる。
おでこに手の感触がし、どちらかが息を潜める気配が伝わる。
ショキンショキンと心地の良い音がし…少し眩しく感じる。
次に後ろに気配が行きこちらはあまり切る様子ではなく整えるような感覚であった。
「無花果さん!目を開けてください!」
目を開ける。
全ての光が直接目に入る。眩しい
そこには、少し驚いたように笑う神崎アオイと上品そうに微笑む胡蝶しのぶがい、
その後ろには高い位置の片方で括り、目に光が余り入っていない無気力そうな少女がいた。
立ち上がろうとすると蟲柱に手で制される。
「…?」
何をしようと言うのだろう。
よく見ると神崎アオイの手には櫛が握られている。
「ではじっとしてくださいね!」
それからは軽く悲惨であった。
髪をとかれ高い位置での2つ結びや片お団子、様々な髪型にされる。
抵抗も出来ずにひたすらに頭を弄られる。
結局、最後の髪型は今までと同じような後ろで緩く結んだ。
「うん、綺麗ですよ」
「素敵です!無花果さん」
「…可愛い」
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とある堕天使(プロフ) - 花猫さん» さんくす (2020年8月18日 2時) (レス) id: a3cbec4d52 (このIDを非表示/違反報告)
花猫(プロフ) - いいね! (2020年8月17日 22時) (レス) id: cf66358d19 (このIDを非表示/違反報告)
とある堕天使(プロフ) - ほねさん» さんくす (2020年8月17日 20時) (レス) id: a3cbec4d52 (このIDを非表示/違反報告)
ほね - すげぃです (2020年8月17日 19時) (レス) id: 0dbf8d94d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とある堕天使 | 作成日時:2020年8月17日 18時