06 チョコレートは溶ける ページ6
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「赤葦、初日から調子良かったな！」
夜、布団を敷いていると既に敷き終わり肘を付きながら
隣で横になった木兎さんが口を開く
「まあ、そうですね」
自分でも驚くくらい、調子が良かった
というより、彼女との念願の再会に、完全に浮かれていたのである
音駒との試合中、どうしても彼女が気になって、
点を取るたびに反対コートのベンチに座っている彼女に視線を送っては、
合うたびにすこし恥ずかしそうに微笑んだ
自分自身、とても落ち着いて、安心してプレーが出来た
まあ、今合宿初対面の烏野が、
午後に爆裂した変人速攻とやらにはさすがにビックリしたけれど
「何でだ？」
「木兎さんには内緒です。あ、俺ちょっと外出てきます」
布団を敷き終わり、彼女がいるかな、なんて
小さな期待を膨らませつつ外を出ると、
「Aちゃん、！」
『あ、京治くん…』
廊下で夜空を見上げ黄昏る彼女と遭遇する
『京治くん、梟谷だったんだね。ここの学校おっきいなあ』
「Aちゃんは、音駒だったんだ」
『、うん』
少し開いた窓から流れた風が、彼女の髪の毛を撫でて行く
その横顔は、変わらず綺麗で、でも大人びていた
「Aちゃん、俺、今日思わずAちゃんのことチラチラ見ちゃってた」
『うん、分かってたよ』
困ったように、俺に笑いかける彼女
「あのさ、…約束、覚えてる？」
スッと、息を吸って吐く
自分でもわかるほどに心臓の鼓動が大きくなる
「俺はあの時のまま。ずっと、忘れられなかった」
そう、あの時の、チョコレートみたいに甘い時間に、
俺はずっと囚われている
『京治くん、…』
そっと、彼女の両腕を優しく掴んで引き寄せる
ずっと、触れたかった彼女が今、ここにいる
「Aちゃん、迎えに来たよ。」
「俺は、ずっとAちゃんのことが、」
『、待って！』
突如、離される体
『京治くんに、言わなくちゃいけないことがある』
その言葉の重みは、夢見心地だった俺の頭を麻痺させるには十分過ぎた
『わたしね、今、付き合ってる人居るの』
いつだって、それは不変の事実だ
チョコレートは、溶けるもの。
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海(プロフ) - 青藍さん» 感想ありがとうございます！分身術、主人公に身につけさせておきますね！← ありがとうございます；；これからもよろしくお願いします！ (2020年4月13日 1時) (
レス) id: a056b6c2e9 (このIDを非表示/違反報告)
青藍 - クロぉぉぉぉ！赤葦ぃぃぃぃ！！どっちも推しだからどっちも幸せになってほしい…！！ はっ！いっそのこと夢主ちゃんが分身すれば…！← これからも頑張って下さい！応援してます！！ (2020年4月11日 18時) (レス) id: 2aeb894d27 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - かたつむり。(?)さん» ありがとうございます！切なくてドロドロなお話を書きたかったので伝わっていてとても嬉しいです；；更新少しずつではありますがこれからもどうぞ宜しく御願いします！ (2020年4月11日 17時) (レス) id: a056b6c2e9 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - しかよる。さん» コメントありがとうございます！とても励みになります；；これからもどうぞご愛読宜しく御願います！^_^ (2020年4月11日 17時) (レス) id: a056b6c2e9 (このIDを非表示/違反報告)
かたつむり。(?)(プロフ) - あ"あ"切ない！！！胸が痛い！！！なんかどっちも好き！！切ない！！(二回目)いやもう、この作品が更新されたら秒でトンできてます...。本当に、これからも頑張ってください！！！めちゃくちゃ応援してます！！！ (2020年4月10日 21時) (レス) id: 40246c291e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海 | 作成日時：2020年4月7日 0時
