検索窓
今日:8 hit、昨日:20 hit、合計:98,288 hit

三十七話 ページ37

バッとメニューから視線を私に移す

「え、今なんて?」


『耳付いてないのかよ』


「…ダサいなぁ、俺」


手に持ったメニューで顔を覆う悠馬


「あの、えっと」


『とりあえず注文しよ』


「あ、うん」



ンと閉じた口も上がってる眉毛も
気まずい時に悠馬がするガチ顔


目線もどこか遠くを見つめている


お互い注文も終わり先に来たドリンクで乾杯していると
あの、と悠馬が口を開く


「必ず、後悔はさせないので」


『や、まだその話続きあるから』


付き合おうとも何とも言ってないが
お互いの気持ちがわかっているからこその勘違い

ふぇっと驚く悠馬

料理もタイミングよく来て食べ始める


『まず、目標を達成して下さい。
現を抜かす暇なんてないでしょう』


「え?待って、まだ付き合えないの?俺」



両手で頭を押さえながらまじか、え?え?と困惑


口に運んだご飯を飲み込み水を一口



『はい、続きです
達成した後は動画とかで顔に出さない事。

悠馬苦手でしょ
悠馬の顔とか雰囲気でみんなわかっちゃうから

私からもみんなにツッコまないようにお願いする』



全く匂わせない。一番大事だ


匂わせる要素がなければないほどお互いの安全が保証される


『何かあったら私は悠馬を頼るし、悠馬も何かあったらすぐに私に教えて』


「…はい。達成した後に気持ちが変わる心配は?」


『その心配、一切な〜い』


そこまで言うと悠馬は動画見てるやんともぐもぐした口で笑う


ようやく笑ってくれた。


ずっと現実に心が追いついていないような反応だったが、今になって少しずつわかってきてくれたようだった


「え、俺、頑張るわ」


『うん。待ってるから』



最後まで完食し、近くのコンビニで一服


悠馬は相変わらず人通りの少ない方を向いて煙を吐いていた


「あのさ」


『ん?』


「達成したらさ一緒に住んでくれる?」


『あ、』


そうだ、その問題もあるのを忘れていた


兄も家を出ていくし、家は引っ越すし、

タイミング的にはバッチリだ


家を出る時とか入る時とか盗撮されたら終わりだな、と考えるとそればかりが巡ってしまう



『…前向きには考えるけど、って感じだな』


「また追々って感じ?」


『そうそう』

三十八話→←三十六話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (113 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
458人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぱちくりぷんぷん丸(プロフ) - ひなのさん» ご愛読いただきましてありがとうございます!とても励みになります!! (2022年5月11日 17時) (レス) id: 57b5d2b0f2 (このIDを非表示/違反報告)
ひなの(プロフ) - 作り方上手過ぎます!!めっちゃ好きなお話でした〜! (2022年5月8日 11時) (レス) @page50 id: e92d9d5baa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぱちくりぷんぷん丸 | 作成日時:2022年3月16日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。