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ユンギに指示された建物に着き、屋上に行くと
「え、すごい、きれい…」
都会のビルの屋上のはずなのに芝生が敷いてあって、たくさん置いてある植木鉢の木にはイルミネーションのライトが飾りつけられていた。
「遅い。」
白シャツと黒いボトムズ、ジャケットというシンプルなアイテムをかっこよく着こなしたユンギが不満そうに奥から出てきた。
「ごめん、準備に時間かかっちゃって…」
というと私のことをじっくり見たユンギが
「そういうの着てるの久しぶりに見た。似合ってる。」
と言って、私の手を引いて屋上の真ん中に置いてあるテーブル席に連れて行った。
テーブルの上にはお酒と、おいしそうなスイーツが並んでいる。
「夕飯は食べてきたと思って。だからこれだけにしといた。お前甘いもの好きだろ」
「あの、ユンギ…うれしいけど私今日別に誕生日とかじゃないよ…？」
唐突なサプライズを見て、自分がなんでここに連れてこられたのかわからなくなった
ユンギが私の目の前に立つ。
「この前はあまりにもひどかったから。せめて今日は少しでも良い場所でと思って。」
話が読めない。
そんな私を見て
「ファーストキス。作業室なんかじゃ一生のトラウマになるだろ」
恥ずかしそうに頭を掻くユンギ。
「気にしててくれたの…？」
ユンギは私から顔を背けて答えない。
「どうしてここまでしてくれるの？ユンギは何を考えてるの？この前はどうして…「質問が多い。」
ユンギは私の言葉を遮って唇を重ねてきた。
「人ッ…きちゃうから…」
ユンギの胸を押していったけど
「ここは貸し切りにしてある。気にすんな」
またユンギの唇が私の唇に重なった。
そのまま私を抱き寄せると、唇が離れた後おでこをこつんとした。
「面倒なことが嫌いな俺がわざわざお前とキスする理由なんか一つしかないだろ」
至近距離でささやかれて心臓が破裂しそうなほどに鳴る。
「俺以外のやつを好きになるな。
嫌なら少しは抵抗しろよ。」
そう言ってまたゆっくりと顔が近づいてくる。
私は静かに受け入れた。
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作者名：くおっか | 作成日時：2018年7月7日 22時
