むすすぴ小説 (ページ5)

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私が高校二年生の時、なぜか絵にものすごく興味を持ち、その勢いで美術部に入部した。
途中からの入部なので煙たがられないかな？と思っていたので、部室のドアを開けるときはすっごく緊張したのを覚えている。
でも、そんな緊張も一瞬で驚きに変わったけどね。

いやー、びっくりしたよ。だって、ドアを開けたら広い美術室の隅っこに数人の男子が固まって、テレビの前に集まってたんだもん。
思わず私はドアを閉めた。
見ちゃいけないものを見た気がしたんだよね。

少し経って、1人でドアの前でテンパってたら急にドアが開いて、男の人が出てきた。

それがあろまだった。

「何か御用ですか？」

わりと丁寧に尋ねられたと記憶している。
正直、頭の中がこんがらがっていたから曖昧な記憶なんだけどね。

でもはっきりと覚えているのは、あろまにビビっと来たこと。
一目惚れって言うのかな。
その時の私はそれが恋だってことには気が付いていなかったかもしれないんだけどね。
とにかくビビって来たんだ。

それもあって、
「えっと...あの...美術部に入部して、それで...」
って挙動不審に答えてしまった。
今思うとすっごい恥ずかしいね。
あろまは何となく理解してくれたみたいで、中に入れてくれた。

「おーいお前ら、念願の女子部員だぞ」
と、入るなり部屋の隅っこにいた人たちに声をかけた。

すると、「おおー！」とか「マジかよ！あろまー！」とか言いながらこちらに集まってきた。

私やあろまが通っていた高校は工業系の学校だったので、女子生徒のの数が少なく貴重な存在だったようだ。

そのため、私は少しの間質問攻めに遭うことになる。
戸惑ったものの、歓迎してくれて肩の荷が下りた。

それからまた少しして顧問の先生がきて、改めて私のことを紹介してくれた。

先生が会議があるからと言って職員室へと去っていった後、1人の部員が「よし、じゃあ再開するかー」と言ってまたみんなぞろぞろと部屋の隅っこにあるテレビの元へと向かった。

何が起こっているか分からないくて、また呆然と立っていた私にあろまが椅子を用意してくれて、「ここ、座っていいよ」と言ってくれた。
お言葉に甘えて椅子に腰をかけた。

テレビの前をよく見ると、そこにあったのはゲームのハード。
...なるほど、みんなここでゲームをしていたわけだ。