この闇を焦がす時 (ページ8)

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your side

暗く深い、トンネルのようなところに佇む私。

ここは、どこ…？

かすかに聞こえる、誰かの声…

だれ…？ …どこにいるの？

“………、………ろ……、生きろっ！”

「……！あぁっ！！」

.

突然聞こえた、はっきりした声に
ハッとして起き上がると
目の前に知らない男の人が、いた。

「……！」

阿『気がついた？僕、阿部って言います。
君、丸2日間ずっと眠っていたんだよ』

　

阿部、と名乗ったその男の人は
にっこり笑って言った。

え、2日間も？？

「…あの、私はどうしてここへ…？」

　

阿『君が、頭から血を流して倒れているのを
僕の仲間が見つけてね。
それでここへ連れてきたんだよ』

　

「仲間…？」

阿『そう。ここは僕たちの
仕事場のような所だからね。
それより…、その怪我、何があったの？』

そうだ、そういえば私………

「私…は、」

あれ？

どうしてたんだっけ？

…思い出せない…

「………わから、ない…」

阿『…え？』

「…わからない…、思い出せない……！」

阿『落ち着いて！…君の名前は？…わかる？』

阿部さんが、優しく聞いてくれたけど…

私は、首を降った。

「……わからない…！私は、だれ、ですか？」