この闇を焦がす時 (ページ48)

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hikaru side

Aちゃんが白雪権造の孫だと聞いたとき
ふとある光景が甦った。

─────それは、Snowが結成される前。

俺とふっかが警視庁警備部警護課、いわゆるSPとして
要人の警護に付いていた時のこと。

その日の警護は白雪会会長、白雪権造。

“私のようなしがない老人に警護はいらんよ”

と豪快に笑っていたが、何と言っても白雪会のトップだ。
どこで誰に狙われるかわからない。

深『照、白雪さんに確認頼める？』

『あぁ、いいよ』

　

警護内容の確認と挨拶のため、
ホテルの部屋を訪ねると彼は手の中にある何かを
じっと眺めていた。

白『…あぁ、ご苦労さん。今日はすまないね』

『あ、いいえ…、あの、それは？』

白『あぁ…、これはね、私の宝物だよ』

『お孫さん、ですか？』

手のひらに収まったロケットの中には
小さな女の子の写真が入っていた。

白雪権造は、俺の質問には答えず、
そっとロケットをしまうと小さく呟いた。

“私は見守ることしかできないんだよ…あの子達を(・・・・・)”

『え？何かおっしゃいましたか？』

白『いや、何でもない。すまないね』

──────そうか。

初めて彼女を見た時
どこかで見たことがあると感じていたのは……
あのロケットの中の小さな女の子が
彼女──、Aちゃんだったからなんだ…