この闇を焦がす時 (ページ45)

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shota side

『康二、ちょっと…』

俺は康二を呼び出して
人気のないところへ連れて行った。

康『ん？翔太くん、どないしたん？』

『お前……、何か隠してるだろ？』

康『え…、な、何か、て何を？』

　

明らかに動揺する康二。

『さっきの話だよ、六石グループに潜入する、ってやつ。
Aが手伝うっつった時のお前の様子、変だったから』

康『あれは…、Aも手伝うて言うから…、
女の子にそんな危険なことさせられんやろ、せやから…、』

『ホントにそれだけか？』

康『え…？』

『俺ら、ガキの頃からずっと一緒にいんだろ？
………頼れよ、一人で抱え込まずに』

蓮『そうだよ、康二くん』

うしろから聞こえてきた声に振り向くと
蓮が柱に凭れて立っていた。

康『……っ、』

蓮『俺も…、康二くんのおかげでまた人と話すことが
できるようになったんだ、だから…』

康『翔太くん、蓮……、』

康二は暫く悩んだ後、意を決したように話し始めた。

康『Aは…、Aはな……、

─────ホンマは会長の孫娘なんや…』

『え…、』

康『そして俺は──────、ｶﾞﾁｬﾝ！』

音のした方を一斉に振り向くと、
Aが放心状態で立っていた。

康『A！』

「康二…、それ本当、な、の……？」