この闇を焦がす時 (ページ44)

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shota side

園長先生が亡くなったと知った夜
康二が俺に言った。

康『俺…、六石グループに潜入しようと思ってる』

『はぁ？何考えてんだよ、康二！そんなことしたら……』

康『わかってる。でも俺、調べたいねん！
なんで六石グループが白雪会を潰そうとしてんのか。
なんで会長や園長─、おかんが殺されなあかんかったんか』

康二は俯いて唇を噛みしめながら
震える声で言った。

『お前────！』

康『翔太くんも、思っとるやろ？……蓮だって』

『…………』

蓮『………』

白雪会の幹部だった園長先生は、
おそらく六石グループの手にかかったのだろう。
誰も言わないけれど。

もしそうなら、康二だって危険だ。
白雪の幹部の息子とわかれば、どうなるか。

「……じゃあ、私も手伝う」

この緊張感の中、そう切り出したのはAだった。

『Aお前……、『Aはあかん！！』』

突然の大きな声に、俺らもAも一瞬動きが止まった。
叫んだのは、いつも温厚な康二だったから。

「なんで？私も知りたい！康二や…、みんなの思う通り
白雪のおじさまのことも、先生のことも…
六石グループの仕業なんだったとしたら、私…許せない！」

怒りをあらわにしているAとは対照的に
冷静を装っていた康二だったけど。

康『Aの気持ちは、ようわかる。せやけど、あかん…
お前はあかんねん…』

そう言うと、今にも泣きそうな顔に変わっていた。

その顔を見てふと思った。

お前………、何か知ってるのか？