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hikaru side
『阿部、あの子─Aちゃんの
様子を見に行っても大丈夫かな？』
リビングに戻って来た阿部に聞くと、
“いいけど、眠ってるから手短にね” とのことで
俺はそっと、彼女の部屋へ入った。
静かな寝息を立てて眠っている彼女を見ながら
今までの出来事を振り返る。
聞き込み捜査からの帰り─
暗闇の中に蹲るように倒れていた彼女。
ドレスは汚れ、あちこちに怪我をしていたから
ここへ運んだ。
あの時感じた、どこかで見たという感覚。
どこで見たか、まだ思い出せないのがもどかしい。
でも今、一つだけ思うことがある。
それは──
「ん……、」
小さな声とともに目を開けた彼女に
すかさず声をかけた。
『大丈夫？Aちゃん』
「あ…、岩本さん、ありがとうございます…大丈夫です」
そう言って俺の顔を見た彼女。
その目を見た時、確信した。
だから俺は言った。
『Aちゃん、君…
いつから記憶が戻ってたの？』
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作者名：みぃ。 | 作成日時：2021年3月21日 0時
