この闇を焦がす時 (ページ35)

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raul side

舘さんが聞き出してくれた
彼らの育った児童養護施設。

そこの園長は向井、という女性だったけど
2年程前に不慮の死を遂げていた。

『確か…、コージ、っていう人も
苗字が‘向井’って言ったっけ…』

何か関係ありそうだな。

そして、調べを進めていくうちに出てきた
白雪会、という名前。

これも何かの組織、なのか…？

　

.

　

深『ラウ〜、ちょっといい？』

ｶﾁｬﾘ、とドアを開けて
ふっかさんが顔を覗かせた。

『いいっすよ、ちょうど聞きたいことあったんで』

そう言うと、そろそろと入ってきた
ふっかさんと、岩本くん。

深『聞きたいことって、なに？』

『ふっかさん、白雪会って、知ってます？』

『『白雪会！？』』

驚いた様子の二人。

─それからふっかさんは
いつになく真剣な顔で、こう言った。

深『知ってるよ。白雪会は──
元々、六石グループ傘下の組織だったんだ。
だけど、数年前に会長が死んだことで
事実上解散している。
もっとも、会長は六石グループに殺されたって噂だがな』

岩『その白雪会が、どうかしたのか？』

『あの児童養護施設の園長を調べていたら
白雪会って名前が出てきて…』

深『ふーん、なるほどね…』

ふっかさんはそう呟いて
暫く何か考えているようだったけれど
すぐに岩本くんに向かって言った。

深『照、悪いけど、櫻井教授に連絡して
あの二人に面会できるようにしてくれないか？』

岩『ん、わかった』

岩本くんは何も聞かずにそう言うと
急いで部屋を出ていった。