この闇を焦がす時 (ページ31)

今日:17 hit、昨日:9 hit、合計:103,816 hit

31 ページ31

shota side

　

ここは、どこだ？

胸が焼けるくらい熱くなって、苦しくなって
悶えていたときに、聞こえてきた友の声。

“翔太！”

あぁ、あれは涼太の声。

でも何で？

俺はお前を冷たくあしらったのに。

何で……、

宮『翔太、気がついた？』

ふと目を開けると、
涼太が心配そうに覗き込んでいた。

『ここ…どこ』

宮『俺の知り合いの医者(せんせい)の所だよ』

『なん…で、』

宮『翔太が、苦しんでたからだよ。
……覚醒剤の離脱症状で』

『……』

涼太は顔色を変えずに淡々と話し続けた。

宮『翔太、教えてほしい。
なぜ翔太と目黒くんが、覚醒剤を打っていたのかを』

『お前に…、それを言う必要があるのか？』

宮『ある。これは俺の……、仕事だから』

言いにくそうに話す涼太に思わず身構える。

　

『……お前、もしかして、警察…？』

宮『惜しいけど、違う。
…まぁ、似たようなものだけどね』

静かに笑う涼太。
警察に似たような仕事？
麻薬捜査かなんかしてんのか？

…まぁいい。

洗いざらい、涼太に話してみようか。
あいつらの生死がわからない今
俺たちだけでは、もう……

『蓮は…どこにいる？』

そう聞けば、涼太はにっこり笑って

宮『ここだよ』

と言って隣のベッドを指さした。