Red thread of fate… (ページ9)

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ren side

『…それで？タクシーに乗せただけ？
連絡先とか聞いてないの？』

？『聞くかいな！…初対面やのに……一応、』

　

今、目の前にいるこの男は向井康二。
フリーのカメラマン。

もともと彼はファッション雑誌の
専属カメラマンだった。
その時、彼と一緒に仕事をしたのが縁で
意気投合し、仲良くなった。

俺より年上なのに、何故だか年下に感じる
不思議な男。
でも、写真の腕前は超一流だ。

一年前にフリーカメラマンになったけど、
仕事が減るどころかオファーが絶えなくて、
毎日忙しく飛び回っている。

…って、何で俺、こんなに康二のこと
褒めてんの？

『…はぁ、相変わらず康二はダメだねぇ』

向『…ええやん、また…、あそこで会えるから』

『あそこ、ってあのBar？』

うん、と康二は頷いた。

.

康二の知り合いが経営しているBarに
半年ほど前から現れるようになった女の子。

一目見た時から惹きつけられて
それから彼女に逢いたくて
時間を見つけては通ってる、らしい。

.

こんな話を、会うたびに聞かされる俺。
まぁ、面白いからいいんだけどね。

で、やっと進展？したと思ったのに、
…全然ダメじゃん(笑)

.

『でさ…何でその子はそんなに飲んでたの？』

向『…彼氏に、振られたんやて』