Red thread of fate… (ページ27)

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向『パリコレか…』

向井さんの声でハッと我に返る。
うそ…もしかして私、声に出してた？？

普段ならこんなバカげたこと
絶対言わないのに…。
お酒飲んでたから、つい、口が滑って…

「…ごめんなさい、ありえないですよね」

わかってる、そんなこと…
私は所詮…………
　

向『……ええんちゃう？』

え？

向『パリコレ。出るの夢なんやろ？』

「でも私なんか、絶対無理ですもん…」

渡『………』

向『なんで無理とか、決めつけるん？
夢やねんから、思うのは悪いことやないやん。
それに、夢はデカい方がええやん』

…あれ？こんな怒られ方、前もしたような。

「でも……、」

向『でも、やない。なぁ、しょっぴー？』

渡『………』

向『…しょっぴー？』

渡『…あ、あぁ、うん、そうだな』

向『…何ボーッとしてるん？』

渡『……、悪い、』
　

「…………」

.

渡辺さん、さっき急に黙っちゃったけど
どうしたんだろう。

…チラッと渡辺さんを見ると、
何もなかったように向井さんと談笑していた。

まぁ…、いいか。
特に気にすること、ないよね。

私は、グラスに残った酎ハイを
グッと飲み干した。