Red thread of fate… (ページ20)

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フリー、カメラマン…？

…向井さんが？

向『めめとは、専属してた時からの
知り合いでな。フリーになってからも
ちょこちょこ一緒に仕事してるんよ。
そんで…』

向井さんは咳払いをして
少しだけ姿勢を正した。

向『今回、むっちゃカンが良くて
表現力が抜群の後輩モデルが入ったから
紹介したいって…』

「…え、目黒さんが？」

私の知らないところで、そんなことを
言ってくださってたなんて…
正直、嬉しい。

　

向『まさかそのモデルさんが、Aちゃん
やなんてね…何か運命を感じるなぁ』

向井さんの発した言葉に、思わず反応する私。

運命…、

……そういえば。

.

“…運命の人は必ずいてね、絶対に切れない
赤い糸で結ばれているんだよ”

.

宮舘さんの、あの話…

運命、か…

向井さんが、運命の…人？

…まさかね。恐れ多いし……

.
　

“……ん、……Aちゃん？”

名前を呼ばれてハッと我に返る。

向『…どうしたん？急に黙って、』

「へっ！？あ、いえ！すみません、
ちょっと、あの、考え事してて…！
あ、いや考え事とか、失礼ですよねっ！」

　
なんて慌ててる私を、無表情のまま
見つめる向井さん。

…あ、私、やらかした。
いろんな意味で終わった、と思った瞬間。

.

向『…ふっ、ふふふっ…、あー！あかんっ！
我慢できひんわっ！…Aちゃん、むっちゃ
焦ってるやん、可愛すぎるて！』

「…え、」

肩を揺らして大笑いする向井さんの笑顔が
優しくて眩しくて、少しだけ胸がトクン、
とした。