君は僕の天使 (ページ36)

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hikaru side

…目黒の話が終わると
みんな黙り込んでしまった。

.

深『…雪乃、A、さん……って…』

ふっかがボソッと呟く。

.

.

深『……目黒の、幼馴染っていう…
その、Aって言う人は…』

阿『ここにいるAちゃん、なの…？』

向『いや、阿部ちゃん、おかしいやん？
だってその子は…、亡くなったんやろ？』

…誰もが思う疑問を、康二が代弁する。

.

渡『……でも、』

翔太が小さな声で呟いた。

渡『…でも、それなら病院にいる、
雪乃Aさんって人は…？』

宮『…え、病院？翔太、それ、どういうこと？』

…あ、そうだ、他の奴らにはまだ、
話してなかったな…このこと。

翔太が、病院で見たことを話すと
頭を抱えた佐久間が、少し声を荒げて言った。

佐『え？どういうこと？同じ名前の人が
こんなにもいるわけないよね？
あーもぅ、なんなんだよ、わかんねぇよ！』

…そうなんだよ、同じ名前の人が
そんな近くに、何人もいるわけないんだよ。

だから……わかんねぇんだよ。

阿『…佐久間、落ち着いて。
…ね、目黒、は…さ、その、病院に…いる人のことは、知ってるの？』

　

阿部ちゃんの質問に、黙って首を振る目黒。

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目『…でも…』

目『確かにAは…俺がこの手を…離して
しまったから…俺が…！』

『目黒、落ち着け！』

俯いて苦しそうに呼吸をする目黒の背中を
ゆっくりと擦る。

“ごめん、岩本くん”

なんてそんな目黒の弱々しい言葉、
聞きたくねぇけど。

.

そしてしばらくの沈黙のあと、

あの人の声がした。