15* ページ17
ｻﾞｯ…ｻﾞｯ…
ｻﾞｻﾞｯ…
.
窓の外から聞こえる音に反応して
目が覚めた。
ん…、今何時？
枕元に置いた携帯で時間を見る。
.
…8時、かぁ。
今日は久々のオフだから、
もっとゆっくり寝ようと
思ってたけど。
ふわぁ…とあくびをしながら
ベランダに出てみる。
下を覗くと、Aちゃんが
庭の落ち葉を履いていた。
.
あぁ…、その音か。
しばらく上から眺めていると
視線に気がついたのか
Aちゃんが顔を上げた。
「あ、目黒さん、おはようございます」
『おはよ、Aちゃん。
…ねぇ、そこに行っても、いい？』
「…え？えぇ、いいですけど…」
『ホント？じゃ、ちょっと待ってて！』
.
『………』
.
「………」
.
『………』
.
「……あの、目黒さん…？」
『…ん？』
「…すっごい、やりづらい、です…」
『何が？』
「掃除が、です…」
.
そりゃ、ね、
今俺、Aちゃんの目の前で
頬杖ついて座って見てんだもん、
やりづらいよね。
でも、近くで見たいんだもん。
.
『…てかさ、』
「…はい？」
『目黒さん、て、堅苦しくね？』
.
ちょっと困った顔のAちゃん。
「…では、なんと呼べば？」
『ん〜、‘蓮’とか、』
「いきなり呼び捨ては…」
『じゃ、‘蓮くん’でもいいよ』
「…、蓮…くん？」
『…聞かない。はい、もう一回』
「れ…蓮く…ん」
『うん、そうそう、もう一回』
「れ…蓮くん…」
『うん、いいね』
.
…ん？…この感じ…、どこかで……
.
ｽﾞｷｯ
.
うっ…
また…頭が…
.
「…め…、あ、れ、蓮くん、大丈夫、ですか？」
Aちゃんの慌てたような声。
.
『…あ、うん、平気…』
.
この時、俺を見つめるAちゃんの顔が
とても悲しそうだったことに、
俺は全く気づかなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 116人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みぃ。 | 作成日時：2020年9月17日 12時
