君は僕の天使 (ページ11)

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A side

早いもので、ここへ来て1ヶ月が経った。

　

でも、もっと前からいるような、
不思議な感覚がする。

それはきっと、みなさんが気さくに
話しかけてくれるから、なんだろうな。

なんて思いながらリビングで一人、
コーヒーを飲んでいると

目『あ、いい匂いがする』

　

と言って目黒さんがやってきた。

「…あ、目黒さんも、飲みます？」

慌てて立ち上がると、
“お願いします”との返事。

.

コポコポとドリップされたコーヒーを
カップに注ぎ、ソファに座っている
目黒さんに渡すと
“ありがとう”とニッコリされた。

目『…毎日、大変だよね…疲れない？』

コーヒーを啜りながら目黒さんは言った。

.

「…いえ、これがお仕事ですから。
皆さんの方こそ、毎日お疲れでしょう。
…それに…」

　

目『…？それに？』

「…それに…私みたいな
得体の知れない人間が、いきなり来て
皆さんのお世話をします、なんて…」

.

目『……Aちゃん…』

私の言葉に被せるように
目黒さんが私の名前を呼ぶ。

目『…そりゃ最初はちょっとびっくり
したけど、今じゃホントに助かってるし。
そんなこと、誰も思ってないよ』

「あ、ありがとう…ございます」

そう言って顔を上げると、
目黒さんはずっと私を見つめたまま
不思議そうな顔をしている。

「…？どうかされました？」

目『Aちゃんさ、俺と………』

「……？」

.

目『……前にどこかで会ったこと、あります？』