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your side
『あ、お帰りーーー』
帰宅すると、もうすっかり住人と化している
ショータさんがアイス棒を食べながら出迎えてくれた。
いや、5歳児かよ…
なんてまた、心の中でツッコんでみる。
ショータさんってイケメンなんだけど
なんだこの可愛さは。
“ほら、この人がSnow Manの渡辺翔太”
昼間に紗衣から聞いた話をふと、思い出した。
ショータさんが、アイドル？
今、目の前で幸せそうにアイスを食べてるこの人が？
『ねぇ、A…、A？』
ショータさんの呼ぶ声が聞こえて
ハッと我に返った。
「あ、え、なに？」
『さっきから呼んでんのに。──どうした？疲れた？』
ショータさんは私の後ろに立つと
そっと私のお腹に手を回した。
首筋に触れるショータさんの息は
アイスを食べた後だからか、ひんやりしている。
『──A？』
「ねぇ。ショータさんって、アイドル、なの？」
お腹に回した腕がﾋﾟｸﾘと揺れた。
その反応に確信する。
『なんで…それ、』
「今日、同僚と話してて…、たまたま知ったの。
…ごめんね、私、ほんとに疎くて…、全然知らなくて」
『A…』
私の肩に顔を埋めていたショータさんは
自分の方へ向きを変えさせると
私の顔を真っ直ぐ見つめた。
『俺の方こそごめん…、隠すつもりはなかった。
俺の事を知らないなら、それでいいと思ったから…
だからあえて言わなかったんだ』
そして、震える声で言ったんだ。
『俺……、歌えねぇんだよ…』
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作者名：みぃ。 | 作成日時：2022年10月4日 20時
