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sakuma side
やっと見つけた、命の恩人。
不覚にも、人間の姿をしている時にヘマをして
消えかけていた俺に声をかけてくれたのが、彼女だった。
“僕のこと……、見えてるの？”
俺は人間界と自分の世界を行き来する妖精。
その姿は、ピュアな心を持つ人間にしか見えない。
もちろん俺の言葉の意味なんて、彼女に分かるはずない。
でも、見ず知らずの俺を見ても優しくしてくれたことが
凄く嬉しかったんだ。
“僕のこと見たの、誰にも言わないでね”
それだけ言って姿を消した俺に驚きつつも
名残惜しそうに佇んでいた彼女を呼ぶ友人の声で
彼女の名前が “Aちゃん” ということがわかった。
だからいつかまた会えたら─────
「あなたはあの時の男の子、だったんですね」
にっこりと微笑むAちゃん。
──────その時はもう君を離さない。
そう決めてたんだ。
だから………
一緒に行こう。
俺の棲む世界へ。
fin.
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作者名：みぃ。 | 作成日時：2022年10月4日 20時
