切ない恋心をキミに。2 (ページ26)

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your side

あれはまだ私が小学生だった頃。

下校中の道端で、蹲っていた男の子。

「大丈夫、ですか？」

顔を上げた男の子は、半泣き状態で。
でも、私の顔を見て凄く驚いていた。

“僕のこと……、見えてるの？”

その言葉の意味は分からなかったけど
その子は膝を怪我していて血が滲んでいたから
咄嗟に、常備していたカットバンを貼ってあげたんだ。

そうだ、あの時の男の子……
確か薄いピンク色の髪の毛をしていた。

“僕のこと見たの、誰にも言わないでね”

そんな声が頭の中に響いた瞬間、彼は消えていて。

私は幻を見たんだと、思っていた。

『思い出してくれたんだね』

ｺｸﾘと頷くと、さくまさんはにっこりと微笑んで
ズボンの裾を捲りあげた。

『ずっと探してたんだよ、君のこと』

その膝には、見覚えのあるカットバンが貼られていた。