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your side
怒りを込めたような、低い声が聞こえて
ボタンをなぞるナイフを動きが止まった。
？『…っ、』
恐る恐る目を開けると、そこには涼太さんがいて
男の喉元にナイフを押し当てていた。
涼『少しでも動いてみろ……、あの世行きだ』
涼太さんの顔は今まで見たことがないくらい
冷酷で、恐怖すら感じるのになぜか美しかった。
？『うっ、くそっ！』
観念した男が跪き、涼太さんがそのフードを取った。
露になったその顔を見て、私は愕然とした。
それは…、あのお巡りさんだったから。
涼『そんなことだろうと思った。
──パトロールはな、普通1人でしねぇんだよ』
え…、じゃあ、涼太さんは私の話を聞いた時から……
涼『わかってた。だから───お願いしたんだよ。
この家に女と犬しかいないと分かれば、必ず狙う。
だから、俺のいない普段通りの生活をして欲しい、ってね』
暫くするとサイレンの音が聞こえてきた。
涼太さんが呼んでくれていたようで、
男はやってきた数人の警察官に連行されていった。
涼『…ごめん、怖かったね』
涼太さんはそう言うと、ボタンの取れたブラウスを
隠すように、自分の着ていた上着をかけてくれた。
「いえ…、ありがとう、ございました」
そういうのが精一杯で、ホッとした瞬間
身体の力が抜けて床にヘナヘナと座り込んだ。
涼『あ、大丈夫っ？A、さん、』
慌てて抱き止めてくれた涼太さんの逞しい腕。
ドキドキして、顔が見れない。
たった一週間しか過ごしていないのに、
私はこんなにも、涼太さんのことを……
だから…、だから聞きたい。
あなたのことを。
「あなたは────何者、なんですか」
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作者名：みぃ。 | 作成日時：2022年10月4日 20時
