切ない恋心をキミに。2 (ページ1)

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声を聞かせて【青】ページ1

your side

帰り道。

すっかり暗くなった夜空を見上げると満天の星空。

「きれ……い、」

ちょっとだけ、ゆっくり眺めていたくて
目の前の公園に立ち寄った。

ブランコに座って少しだけ揺れながら
星を見上げると、頬を伝う水滴。

「この3年、なんだったんだろ…」

5年前に付き合い始めた彼氏と、同棲して3年。
結婚も考えていたのに。

“あたし、彼の子妊娠したんだよね”

突然現れた、見知らぬ女(ひと)によって
それは脆くも崩れ去った。

真実を問いただした私に、追い打ちをかけた
悪びれもしない、彼の言葉。

彼『あー、それマジ。てかさ俺、お前んち住んでたのって
部屋代浮かせて彼女とデートするためだったし？
え、結婚？お前と？んなもん、ないない！
俺が愛してるのは彼女だけだ』

信じてたのに。
あの優しい言葉は全部嘘だったの───？

『───おい、おいって、』

「わっ、」

ふいに後ろから声がして振り向くと
バケットハットを目深に被ってマスクをした
いかにも怪しい男の人が立っていた。

「な、なんで、すか」

『──落ちてる』

「え？」

『ハンカチ』

「あっ、」

慌てて揺らしているブランコを止めて
ハンカチを拾い上げると、その男性は
“隣、いい？” と聞いてから隣のブランコに腰掛けた。