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koji side
父『康二くんに…、聞きたいことがある』
『聞きたいこと…?』
おじさんは頷くと、真剣な眼差しで俺を見た。
父『康二くんは…、今でもAのことを
……好きでいてくれてるのかな?』
『えっ?』
父『小さい頃、よく言ってた…』
.
───────────
“A、大っきくなったら康ちゃんの
お嫁さんになるぅ!”
“えぇっ!俺もAがお嫁さんに
なってくれたらめっちゃ嬉しい!”
“絶対約束よ!”
“ホンマに絶対約束やでぇ!”
“康ちゃん大好きぃ!”
“僕もAが大好きぃ!”
────────────
.
父『Aに好きな人がいることは
私も妻もわかっていた。
………それが、康二くんであることも』
『………』
どう答えていいのかわからない
俺の心を見透かしたように
おじさんが言った。
父『康二くんの本心を、聞かせてほしい』
.
『俺も…好きです。今もずっと。あの頃から
気持ちは全く変わりません…』
父『…そうか』
おじさんはホッとした表情をして、
それから俺にこう言ったんや。
.
父『それならあの子を…
奪いに行ってくれないか?』
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作者名:みぃ。 | 作成日時:2021年8月31日 9時