大切なものを護りたい (ページ14)

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story12 ページ14

救う手があると言って、マーリンが出したのは…何だろ、これ

｢私の魔法具(マジックアイテム)No.48《癒やしの天使(キュア・エンジェル)》｣

え…エンジェル……？

｢見た目の愛らしさに反し、あらゆる生物の体内に潜り込み心臓のみを食らい尽くすという獰猛な魔界の甲蟲だ｣

あ、アイラシイ、のか…？

｢入れるぞ、国王よ｣

｢え"、儂に！？｣

ちょちょちょ、ちょっと待って！

｢マーリン！！陛下を殺す気か？｣

｢そうじゃ、死んでしまう！！｣

｢私の新秘術によって心臓ではなく、腫瘍のみを好んで食べるよう改良してある、安心しろ｣

じゃあ、

｢大丈夫なの？｣

｢大丈夫だ、おそらく｣

なら、やってみよう！

｢大丈夫じゃないんじゃないの！！？｣

｢口腔・鼻腔・内耳・肛門、どこから入れる？好きに選ぶといい｣

｢ど、どうしても入れなきゃダメ？｣

｢男の子だろう国王陛下…？｣

マーリンのアイテムでの治癒が始まると、陛下が悲鳴を上げた

そういえば…

｢陛下は何の病だったの？｣

｢胃潰瘍｣

アルマリ殿を見てみると

｢スゥースゥー｣

まだ寝ていた

｢今までお疲れ様でした、ゆっくり休んでくださいね！｣

寝ている彼女の頭を撫でながら、そう言った

こうしてみると、とても愛らしく思える

(アーサーはアルマリに惚れたか…？)