大切なものを護りたい (ページ1)

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プロローグページ1

『…兄さん、今、どこにいるの？』

森から出る場所と、ピンクの花が満開に咲いてる大樹までの森の間に1人の少女が大樹の方を、悲しい表情で見ていた
『〜～〜♪』

『！……人、また来たのね』

森から声が聞こえると、少女は眉を下げ困ったようだった

『ここが妖精王の森で、あそこに“生命の泉”が……』

森から出てきたのは青年で、大樹を見ながらそう言った

『やっぱり貴方も“生命の泉”が狙いなのね…』

『誰だ…！』

聞こえた声に青年は問いかけ、1歩踏み出そうとしたが、できなかった……足元を凍らされて

『この氷を溶かしてくれないか！』

『……いやよ』

『なぜ……！』

青年は目の前に現れた少女に驚いた

『あれが無くなれば、私達の森はなくなってしまうから…』

『そうか…なら諦める！』

青年の言葉に眉間にシワを寄せるが、すぐに表情は変わり、青年を止めてた氷を溶かした

『？ありがとう』

青年が笑顔で礼を言うが少女は見向きもせず去ろうとする

『あ、あの！名前を教えてくれないか？！』

『なん『俺は、“アーサー”！』……』

青年＿＿＿＿アーサーに、なぜ、と思っていたけれど、

『アルマリよ……』

それから2人は、共に過ごすことが多く、いつしか恋人という関係になった

けれど、突如現れた赤き魔神が森を襲った

しばらくして、魔神の動きは止まったが、森の損傷は大きく、さらには“生命の泉”の聖女も死んでしまった

もちろん、森の狭間にいた2人も止めようと戦った、けれど、

『アルマリ…無事…か？』

『バカ！…なんで、庇ったのよ……傷、治すよ』

アルマリは重傷、アーサーは

『いやよ、アーサー……いなくならないで…！』

傷も出血量も酷く、今にも死にそうでいた

水の膜に覆われている傷は、塞がりそうになかった

『アルマリ……』

泣き叫ぶ、アルマリの頬に手を添えるアーサー

『泣か、ない、で……』

『なんで、笑っていられるのよ……』

添えられてる手を両手で握る

『アルマリ……約束、する……必ず、お前を…迎えに、行く...と…………』

そう言うと、アーサーは眠った

『絶対、迎えに来てよ…アーサー…………』

その数十年後に、その約束は現実に…………