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A side






ほんっっっっっっとに、ずるいと思う。


こういうのは、ずるい。


私はただ『好き』の2文字が聞きたかったのに…、『愛してる』って…。



嬉しくてニヤけるだろうが!!



「A?なーにニヤけてんだ。」

「失礼な!微笑んでるの。」


零は私を自分の方へ向かせ、怖いくらいの笑顔を私に向ける。


「俺もAの気持ちが聞きたいな〜。俺にだけ、言わせる…なんてことないよな?」


クソッ…!コイツ…確信犯だ。知ってるくせに…。


「…分かってんでしょ。」

「不安に、なるんだ…。
そ、その…好きって、言われてないし…。」

「オイ、パッキンクソ野郎。」


さっきの私の真似をかましてきた零の頬を思いっきり引っ張る。


「やめろ、俺の顔が崩れる。」

「崩れろ。そしたら零に色目使う人減るし…。」

「ほぅ。嫉妬か…。可愛いとこもあるじゃないか。」

「うるさい。」


大きな手で私の手を掴んで、頬から離させてから、一気に零に引き寄せられる。




「聞かせて、A。」


甘い声でそう言われれば、もう逆らえなくて。
零の肩口に顔を埋め、ポツリと呟く。


「あんたに負けないくらい…、零のこと、
愛してる。」

「ハイ、ご褒美。」


“ご褒美”の言葉に顔をパッと上げると、後頭部を押さえつけられ、キスをされる。

いきなりのことで頭が追いつかない中、零は舌を差し入れてくる。


「…んっ、んぅ…。」

「……っ。」



息苦しくなって零の胸をドンドンと叩くと、ようやく唇が話される。


私と零の唇を銀色の細い糸が繋いだ。

それを見て、顔を真っ赤に染める私を見て零はくつくつと笑った後、私の頭を撫でて、立ち上がった。


「A、シャワー借りていいか?」

「どーぞ。あ、お風呂沸かしてないけど大丈夫?」

「あぁ。問題ない。」

「着替えは?」

「……。」

「無いんだ。じゃあ、零がお風呂入ってる間に買って…
「ダメだ。」


私の話を遮ってまでダメだと言い張る零。


「何でダメなの。」

「ダメだからダメだ。」

「じゃあどうすんの。」

「…俺も行く。」

「…分かった。」


零は絶対に譲ってくれそうにない雰囲気だったから、私が折れてあげる。

それに、車で移動できるんなら私も好都合だしね。





零に手を引かれ、“2人”でマンションを出た。





.

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いちごって美味しいよね - あっさんさん» すみませんでした!うっかり見落としていて…。教えてくださって本当にありがとうございます! (2018年8月6日 23時) (レス) id: 9e74247a01 (このIDを非表示/違反報告)
いちごって美味しいよね - ういさん» 感動していただけたことに感動です!!恋愛って自分が思ってるより、案外難しいんですよね…。応援よろしくお願いします! (2018年8月6日 23時) (レス) id: 9e74247a01 (このIDを非表示/違反報告)
うい - 少し泣ける所もありました。感動です! 恋愛って難しいですね。 次の更新楽しみにしてます (2018年8月2日 23時) (レス) id: ab4f966f00 (このIDを非表示/違反報告)
あっさん(プロフ) - こんにちは、すごく面白そうで見てみようと思ったのですが主人公の名前変えられる様にしてもらえないでしょうか、、汗 (2018年8月1日 1時) (レス) id: dd857b1956 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いちごって美味しいよね | 作成日時:2018年7月28日 0時

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