【名探偵コナン】“嫌い”の裏は“愛してる”【降谷零】

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A side






み…見つかった…。


途端に焦り出す心臓を精一杯抑えながら、歩みを止めずになんとか言い訳の言葉を絞り出す。


「足に〜、なんか筋肉つけたいな、みたいな〜？ちょっと筋肉ついてたらカッコよくない？みたいな〜？」


なんてことだ。焦りすぎて口調がひと昔前のギャル口調になってる…。
これは怪しい。怪しすぎるぞ。


「なんだ、その変な喋り方。あ、でもAはいつも変だったな…。」

「オイ、それどういう意味だ。」


なんだ、その納得の仕方。服をちゃんと来てたならその頬張り飛ばしに行ってやったのに…。

でも納得してくれたなら良しとしよう。
どうかお願い、こっち来ないで…。


「というか筋肉付けたいならスクワットでもしてればいいだろ。なんだその変なトレーニング法は。」

「いいでしょー！手軽に出来るから！これなら！それより零は料理に集中ー！」


零も料理中なら流石にコッチには来ないだろ。
フッ、私の勝ちだ。


「いや、今もう作り終わって洗い物してるところだが？」

「じゃあ、もうちょっとゆ〜〜っくりお皿洗ってて！お願い！どうかこっちに来ないで！」


祈りよ…届け。

って待て、最後の一言いらないだろ。
これ完璧に怪しまれるパターンの王道だから！

何王道歩こうとしてるんだ！
お願い〜、織姫様！！…と彦星様！！


「…こっち来ないでってなんだ。まさか…怪我でもしたのか？！」

「け、怪我じゃない！…ッ！！」

「A？！」


ドタドタと零が走り寄って来る音がする。



あーもう、なんでこんな時に爪ぶつけるかな。中指、私に謝ってくれ。私も謝るから。



零の足音が近付けば近付くほどに焦りを覚える。
ハハ…、この作戦(ゲーム)、私の負けみたいだ…。


負けを覚悟した後、駆け寄って来た零とパチリと目が合う。



「おまっ、何て格好してんだ！！」

「だーかーらー！来ないでって言ったじゃん！変態！」

「怪我したのかと思ったんだよ！別に見たくて見たわけじゃない！」

「じゃあ早く洗い物に戻ってくださいー！！すぐ着替えるから！ほら！早く！」



零の顔は真っ赤に染まっていてこっちまで熱が集まってくる。
零はぎこちない動きながらもキッチンへと戻ってくれた。




ひとまず…、安心？





零に見つかっても恥ずかしいものは恥ずかしいままだったから、そのまま隠れて服の元まで辿り着き、隠れて服に着替えた。









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